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文芸社からの勧誘例

 関西にお住まいのAさんは、ミクシィで小説を発表したところ、友人に面白いといわれ、「公募ガイド」を見て文芸社に連絡しました。その後、文芸社の社員が尋ねてきて、イベントがあるといって応募を勧められました。この時は、費用は「かかっても100万円」と説明されました。

 文芸社からは3週間後くらいに返事があると思っていたところ、思っていたより早く、約2週間後に返事がありました。そこで文芸社に電話をしたところ、四六版、130ページ、1000部で153万円の見積を提示されました。先の説明では「かかっても100万円」と説明されたといったところ、「100万円といった記憶はない。印刷費が90万円位で、それ以外の費用も含めると153万円。当初の見積は173万円だが、担当者の裁量で20万円ディスカウントした」といわれました。その費用では高すぎると交渉したところ、2時間ほどのあいだに133万円まで値を下げてきました。

 このように簡単に値引きすることに、不安を抱きました。見積の明細はまったくありませんでした。また、1100人の応募の中から15人程の評議員が70作品を選んだとのことで、紀伊國屋・三省堂・旭屋に3~4冊ずつ平積みにし、紀伊国屋書店での店頭販売に関しては、同書店のプロパガンダヴィジョンにも乗る、という説明もありました。広告は、他の作品と同じく掲載して、100部ほどチラシを刷ることだけ知らされました。

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 当初は「かかっても100万円」と説明されながら、実際には173万円の見積を40万円もディスカウントしたとのことですが、これらの費用がどのように算出されたものなのか不明です。また、1100人の応募から70作品を選んだとのことですが、作品の選考過程が不明瞭で期間も短いうえ、流通・広告に関する説明も不十分のように思われます。
by nakusukai | 2007-08-08 10:24 | 事例紹介
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