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幻冬舎ルネッサンスが契約終了時に在庫の贈呈を決定

 幻冬舎ルネッサンスでは、出版契約の契約期間について、「本契約の有効期間は、契約の日から初版発行の日まで、および初版発行後満1ヵ年とする」と定めています(契約書第26条)。また、契約の更新および終了については、「本契約は、期間満了の3ヶ月前までに甲乙いずれかから文書をもって終了する旨の通知がないときは、本契約と同一条件で自動的に更新され、有効期間を1ヵ年ずつ延長する」としています(契約書第27条)。

 幻冬舎ルネッサンスから本を出版し自動更新中のEさんは、この契約に則って期間満了の3ヶ月前に契約終了の通知および在庫本の贈呈を要請したところ、幻冬舎ルネッサンスから契約終了時に在庫の贈呈をするとの通知がありました。

 幻冬舎ルネッサンスの自費出版(個人出版)契約では、本の所有権は著者ではなく幻冬舎ルネッサンスにありますが、今回の事例で、契約終了時の在庫贈呈を認める判断を示したと理解できます。

 出版費用を著者が負担していながら、本の所有権が出版社にあるという契約では、著者が自著を入手したい場合に自分で買い取らなければなりませんし、売れ残った本も出版社の所有物として処理される運命にあり、トラブルの一因にもなっていました。今回の判断によって、幻冬舎ルネッサンスのような契約形態(出版社に出版権を設定して出版社に所有権のある書籍をつくり、著者には売上金ではなく印税(著作権使用料)を支払う)の問題が解決したわけではありませんが、一歩前進したと言えましょう。

 在庫の贈呈を希望する著者は、契約終了の通知をする際に申し出ることをお勧めいたします。
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by nakusukai | 2011-12-29 14:45 | 情報コーナー

ここに注意!Q&A 契約・解約編

Q 共同出版や自費出版をするのに契約書は交わした方がいいのでしょうか?

A 口約束だけであれば、あとでトラブルになった場合に解決が困難になります。とりわけ著者が費用を負担する出版形態では、きちんと契約書を交わしましょう。

Q 出版契約には決まった形式があるのでしょうか。

A 商業出版と同様に出版社の商品として本をつくる契約なのか、著者に所有権のある本をつくって出版社に販売を委託する契約なのかを確認してください。
 商業出版の出版契約にはいくつかの形式があり、日本書籍出版協会では契約書のひな型を作成しています。最も一般的なのは出版権設定契約です。流通を謳っている共同出版(自費出版としていることもある)の中には、この契約書のひな型を応用している場合があります。所有権が出版社にあり著者に印税が支払われる場合は出版社の商品として本を出版するということです。売れ残った本は出版社のものであり、著者が入手したい場合は購入することになりますし、断裁などの権利も基本的には出版社にありますので注意が必要です。
 本の所有権が著者にある純粋な自費出版では、著者が出版社に販売を委託することになりますから、著者は印税ではなく本の売上金を受け取ることになります。
 出版社によっては、本の所有権が著者にあるとしながら著者には印税を支払うとしていたり、販売分を出版社に贈呈する契約になっていることもあるようです。このような契約は出版社に一方的に有利なものといえます。
 悪質な出版社の場合、契約書は出版社側に有利に書かれている場合があります。不明なことがあればすぐに契約せず、消費者センターや法律の専門家に相談しましょう。期限を区切って契約を迫る出版社は要注意です。

Q 出版費用を出版社と著者の双方で分担すると説明されましたが、契約書にはそのことが明記されていません。本当に出版社は負担してくれるのでしょうか?

A 契約書に費用の分担が明記されていなければ、出版社はなんら費用負担しない可能性もあります。出版社が実質的に費用負担せず、すべての費用を著者が支払うのであれば、売れなくても出版社はリスクを負いません。共同出版・協力出版などという呼称でそのようなことが行われてきました。重要な事柄について、口頭説明と契約書の内容が一致しない場合、口頭で説明された重要事項が契約書に書かれていない場合は注意してください。
 なお、出版社が本当に費用を分担しているかどうかについては、以下のサイトの計算式でおおよその判断がつきます。
http://www.kobeport.net/news/kyodo.html

Q 原稿の書き方をサポートする教材や添削サービスなどが付加された自費出版を勧誘されましたが、編集サービスのある自費出版との違いがよくわかりません。

A 自費出版を行っている会社には、編集サービスを行っているところと著者の原稿をそのまま印刷するだけのところがあります。しっかりした編集体制の整っている自費出版社であれば、文章のチェックや表現の仕方、全体の構成などについて添削や指導をしてもらえるはずです。場合によってはリライトを行うところもあります。サポート教材や添削サービスは、原稿が用意できていない方を自費出版に勧誘することが目的と考えられます。数回の添削や教材程度で売れる本が書けるかのように思わせているのであれば問題です。

Q 説明と実態が異なっていたために途中で解約したいと申し出ましたが、高額な解約料を請求されました。とても納得がいかないのですがどうしたらいいでしょうか?

A 著者に所有権のある本をつくるサービスの契約であれば、消費者契約法が適用されると思います。消費者契約法では、重要事項について事実と異なることを告げられたり、消費者に不利益になることを故意に告げなかった場合は契約を取り消すことができます。また、不当に高額な解約手数料が設定されている場合は、契約条項を無効にすることができます。消費者契約に該当しない場合でも、錯誤して契約した場合には無効が主張できますし、騙して錯誤させた場合は取り消しが主張できます。法律を有効に活用してトラブルに対処するために、行政書士、司法書士、弁護士などに相談されることをお薦めします。

Q 出版社とトラブルになったのですが、クレジット契約をしたために請求は信販会社からきます。これ以上クレジットの支払をしたくないのですが、止めることはできるでしょうか?

A 錯誤などにより契約の無効が主張できる場合、詐欺などで取り消しが主張できる場合、消費者契約法に反する場合などは、クレジットの支払停止抗弁を行うことができます。法的な知識が必要ですから、行政書士、司法書士、弁護士などに相談されるといいでしょう。

Q 契約をする際の注意点について教えてください。

A 以下の点に注意してください。
1.出版契約は一般の方には分かりにくいものです。不明なことがあれば理解できるまで説明を受けてください。内容の説明もせずに印鑑を押すように指示する出版社は要注意です。
2.著者が費用の一部を負担する条件で出版社の商品として本をつくる契約なのか、著者に所有権のある本(著者の商品)の制作サービス・販売サービスの契約なのか確認し、費用や条件について納得したうえで契約しましょう。
3.執拗に勧誘したり契約を急がせる出版社は、著者とともに良い本をつくるということより、著者から利益を得ることしか考えていない可能性があります。クレジット契約を勧める出版社も気をつけましょう。
4.アマチュアの本の多くは書店に流通させるだけではほとんど売れません。それを承知で「販売」を売りに著者を勧誘している出版社があります。契約の際には、販売方法、販売実績、売れなかった場合のリスク、宣伝方法などを説明してもらい、納得したうえで契約しましょう。
5.著者に所有権のある本をつくって大量に売れ残った場合、保管費用を請求されることがあります。著者が大量の本を引き取っても保管場所や処理に困ることになります。本が売れ残る場合を考えて部数を決めるようにしましょう。出版社側が一方的に部数を決めている場合はとりわけ注意が必要です。
6.解約について定めた条項が著者に不利になっていないか、不当に高額な解約料になっていないか確認しましょう。
7.出版社とトラブルになった場合、口頭のやりとりだけでは解決が困難になります。契約にあたっての約束事項については、記録を残すようにしてください。トラブルになったときも電子メールや書面でやりとりをし、記録を残すことが大切です。

*当会では、勧誘された経験談、出版して疑問に思ったこと、失敗談などを募集しています。これから出版を考えている方が悪質商法に惑わされず納得できる出版をするために、ぜひ情報をお寄せください。当会のメールアドレス nakusukai@excite.co.jp
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by nakusukai | 2008-10-21 17:07 | ここに注意! Q&A