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新聞社への質問書


 朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞社、産経新聞社、日本経済新聞社および北海道新聞社に以下の質問書を送付しました。

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                                        2008年7月21日
     新聞社
代表取締役社長        様

                            共同出版・自費出版の被害をなくす会
                                     代表 松田まゆみ

       共同出版を行っている出版社の広告掲載についての質問書

 当会は、共同出版・協力出版などと称する悪質な出版商法の被害をなくすことを目的に活動しているNGOです。
 昨年は共同出版最大手の新風舎が著者らに提訴され、詐欺的な商法としてクローズアップされましたが、悪質商法への批判と放漫経営によって今年1月に破綻し、同様の出版形態を続けている文芸社に一部の事業が譲渡されました。
 新風舎と同様の商法を行ってきた碧天舎は2006年に倒産しており、かねてから批判されていた共同出版社の大手である文芸社、新風舎、碧天舎のうち2社もが破綻するという事態に至りました。ほかにも同様の商行為をおこなっている出版社は多数あるものと推測されます。
 インターネットなどではかねてから共同出版が批判されていましたが、大手新聞社はこのような出版形態の本質的な問題点をほとんど報道することなく、これらの出版社の原稿募集の広告を掲載し続けてきました。碧天舎や新風舎の被害者の中には大新聞が広告を掲載していることで安心して契約をした方も少なくありません。また、文芸社をはじめとした同業者の広告は今でも掲載されています。
 そこで、悪質な商法を行っている出版社の広告を掲載してきた大手新聞社に、この商法の問題点をご理解いただくとともに、広告を掲載してきたメディアとしての見解をお聞かせいただきたく、以下の質問をさせていただきます。お忙しいところ恐縮ですが、8月20日までに書面にてご回答くださいますようお願い申し上げます。
 なお、この質問書は公開とし、回答は当会のサイトhttp://nakusukai.excite.co.jpに掲載させていただきますことを申し添えます。

                         記

 はじめに、当会が問題としている商行為について説明させていただきます。
 本の出版形態は、著作者を顧客とする自費出版と購読者を顧客とする商業出版に大別されます。
 従来から行われてきた自費出版は、著作権者が制作サービス会社(出版社)に本の制作や販売を請負ってもらうサービス事業を指していました。すなわち著作権者自身が事業主体となって自費で本を制作する出版形態です。以前は制作サービスのみ行う業態が主流でしたが、昨今では販売サービスを付加している会社も少なくありません。すなわち制作サービス会社が手数料をとって著者の本を流通させ、著者に売上金を支払います。自費出版では制作サービス会社の顧客は著者であり、本を購入する読者は著者の顧客という位置づけになります。
 これに対し、商業出版とは出版社が販売を目的に自社の商品として本を制作・流通させる業態です。この場合、本来著作権者がもっている出版権(複製と頒布の権利)を一時的に出版社が独占し、その見返りに著者に印税(著作権使用料)を支払う契約を交わします(著者に所有権のある本をつくり流通させるサービスの契約ではありません)。出版社が主体の出版事業であり、出版社の顧客は本を購入する読者であることが前提の契約です。近年では出版社のリスクを軽減させるために、著者に出版費用の負担を求める場合も少なくないようです。
 当会が問題としているのは、後者のように、著者に費用負担を求めたうえで商業出版と同様の契約を提案する出版形態のうち、実際の出版費用を上回る金額を著者に請求している場合です。共同出版・協力出版などという呼称でアマチュアの著者から原稿を募集し、大半の本がほとんど売れないことを承知で作品を高く評価するなどし、出版社に一方的に有利な契約に誘引するものです。共同出版への批判が高まるとともに流通出版・自費出版など名称を変えてきた出版社もあります。
 この商法の最大の問題点は、著者に請求している費用が実際の出版費用を上回っていて著者を顧客にしている点です。倒産した碧天舎や新風舎では著者の負担金は「制作費」とされていましたが、制作原価をはるかに上回る費用を請求し、本が一冊も売れなくても利益が得られるシステムになっていたといわれています。新風舎の事業譲渡先である文芸社にも同様の疑惑が持たれています(文芸社は著者に請求している費用が原価ではないことを認めています)。
 つまり、出版社は自社の商品の制作・販売にあたり費用もリスクも負担しないばかりか著者から利益まで得、本の売上金も得ていると考えられる商法です。これは出版社に一方的に有利できわめて不公正な取引といえます。本の売上金によって利益を得ることを前提とした出版権の設定契約でありながら、実態は著者と購読者の双方を顧客としているなら、契約内容と実態に乖離が生じています。初版制作費を著者に負担してもらい、販売や保管経費は出版社持ちとしながら実費以上の制作費を請求しているのであれば不当な請求といえます。
 多くの出版社は出版のことがよくわからない著者に、商業出版と自費出版の契約形態の違いを説明せず、制作費の算出根拠も明確にしていないようです。アマチュアの本の大半は書店に並べてもほとんど売れません。そのような事実を十分承知のうえで作品を高く評価して著者に期待を持たせ、大半の応募者を出版社に有利な出版形態に導くという商法です。

 以上をご理解いただいたうえで、以下の質問にお答えくださいますよう、お願い申し上げます。

1.前述したような共同出版の本質的な問題点について、貴社はどのような理解をしていたでしょうか?

2.前述した商行為は悪質と考えられますが、貴社の見解をお聞かせください。なお、文芸社は当会が2回にわたり送付した質問書を無視しており、当会が提示した疑問や疑惑は何ら解明されていません。

3.貴社は広告を掲載する際に審査基準を設けていると思いますが、悪質商法の広告掲載についてどのような基準を設けどのような判断をしているのか説明してください。

4.最大手であった新風舎が倒産し多くの被害者が出ました。以前から共同出版への批判がありながら新聞社はその本質的な問題点をほとんど報道することなく、新風舎の原稿募集の広告を掲載していました。これについて見解をお聞かせください。

5.新風舎の倒産後も同様の商行為を行っている文芸社の広告を掲載されていますが、今後、このような出版社の広告掲載について検討していく考えがありますか。
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by nakusukai | 2008-07-23 10:07 | 質問書と回答

日刊サイゾーに掲載された新風舎倒産関係の記事

自費系出版社「新風舎」倒産! 放漫経営を物語る内部資料の存在 (2008.1.12)

仕組まれてた? 倒産した新風舎を“買った”文芸社の真の狙い (2008.3.13)

仰天の新事実! 倒産した新風舎、そのあくどさ(前編) (2008.6.24)

仰天の新事実! 倒産した新風舎、そのあくどさ(後編) (2008.6.25)
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by nakusukai | 2008-07-22 10:46 | リンク集

破産管財人弁護士に対する当会の見解

 当会は4月1日付けで、新風舎の破産管財人である川島英明弁護士に質問書を送付しましたが、川島弁護士からは回答がいただけませんでした。
 弁護士は、新風舎の倒産の原因が悪質な商行為にあるとの認識をされているはずですので、職務の遂行にあたり共同出版商法の悪質性や問題点について調査し問題点を整理していると思われますが、当会の指摘した疑惑に対する見解は明らかにされませんでした。同様の疑惑を持たれている文芸社についての弁護士の判断もわからないままです。
 著者に対して説明会を開かず、また被害者組織への質問にも回答しない態度は、被害者を軽視していると思えます。
 文芸社に事業譲渡したこと、さらにそれによって新風舎の著者の方たちの個人情報が文芸社に渡ってしまったことは弁護士に責任がありますので、このような対応を大変残念に思います。
 共同出版御三家といわれた文芸社・新風舎・碧天舎のうち、碧天舎・新風舎の二社までが倒産して多くの被害者を出しながら、今回の破産処理においてもこの商法への疑惑や問題点が明確に示されずに問題の解決が先送りされることになったことに対して、私達は疑念を抱かざるを得ません。
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by nakusukai | 2008-05-11 11:07 | 活動

川島弁護士に質問書を送付

 当会は、新風舎の倒産にあたって文芸社に事業譲渡させた川島英明弁護士に対し、4月1日付けで質問書を送付しました。
 誠実な回答が寄せられることを期待しています。

川島弁護士への質問書
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by nakusukai | 2008-04-02 15:26 | 活動

事業譲渡についての質問書

                                       2008年4月1日
新風舎破産管財人弁護士
川島英明 様

                          共同出版・自費出版の被害をなくす会
                          代表 松田まゆみ

                 事業譲渡についての質問書

 貴職は2月1日以降、3社と事業譲渡の交渉を行い、3月6日に文芸社に事業譲渡したことを公表しました。この事業譲渡についての当会の見解(添付資料参照)は当会のサイトにも掲載いたしましたが、かねてから新風舎と同様の商行為を行い詐欺的商法であると批判されていた文芸社に事業譲渡したことで、法の専門家である弁護士が文芸社への疑惑を明らかにすることなくその商行為を認めてしまったといえます。このような観点から貴職の判断には大きな社会的責任があると考えています。
 文芸社への譲渡額は4000万円であったとの情報もあり、貴職は外部委託者や印刷会社などの債権者への配当を考慮したことは理解できますが、新風舎の経営を担ってきた著者への配慮が感じられない判断です。このような貴職の判断に失望するとともに大きな疑問が生じました。
 そこで、文芸社への事業譲渡について以下の質問にご回答いただきたく、お願い申し上げます。お忙しいところ恐縮ですが、4月25日までにご回答いただけると幸いです。
 なお、本質問書および貴職からの回答は当会のサイトhttp://nakusukai.exblog.jp/に掲載させていただきます。

                         記

1.文芸社は新風舎と同様の詐欺的な商行為を行っているとして批判されている出版社です。すなわち役務を提供する契約ではないのにサービスの契約であると著者を錯誤させるような勧誘、不当な費用請求、杜撰な編集、棚借りというお金に依存した書店陳列、クレジット会社との提携など、さまざまな疑惑や問題が指摘されています。このことはインターネットなどで調べれば容易に分かることです。貴職は文芸社の情報を収集して問題点や疑惑について調べたのでしょうか。

2.新風舎の出版実現プログラム(共同出版)や文芸社の流通出版印税タイプ(協力出版)は、著者が書籍の制作費を負担し販売や宣伝の費用を出版社が負担するとの条件で商業出版と同様に出版権の設定をする契約であり、販売を前提とした著作財産権の取引契約です(これは制作・販売のサービスを提供する請負契約とは明らかに異なります)。この場合、出版社と著者の双方が費用・リスクを負担し、出版社は本を販売することで利益を得なければなりません。ところが出版社は実際には何ら費用負担しておらず、著者から利益を得ていると考えられます。すなわち、出版社が自社の商品を制作・販売するにあたりその費用の総経費以上を著者に負担させ、出版社は何ら費用もリスクも負担せず、著者と本を購入する読者の両者を顧客としているという異常ともいえる商形態であり、請負契約における「ぼったくり」とは異なります。このように契約内容と実態が乖離していること、また出版社に一方的に有利で不公正な取引となっていることについて貴職の見解を説明してください。

3.前述したように文芸社が流通を前提として提案している出版形態には「初版制作費を著者が負担する商業出版」(流通出版の印税タイプ)と「制作・流通のサービスを提供する請負契約」(流通出版の売上還元タイプ)の2種があります。貴職は、文芸社が著者に役務(サービス)の提供をするとしていますが、文芸社が新風舎の著者に提示する契約書がサービスを提供する「流通出版の売上還元タイプ」であるか否かを確認されましたか。

4.当会は文芸社に対して2007年10月1日に質問書(添付資料参照)を送付していますが、文芸社はこれらの質問書に無視を貫いており疑惑はなんら解消されていません。また、2008年3月10日にも制作費についての質問書を送付していますが、現時点で回答は届いていません。このような被害者組織を無視し疑惑や疑問の解決努力をしない文芸社の対応について、貴職の見解をお聞かせください。

5.新風舎の倒産にあたり印刷会社や外部委託者などの債権者に対しては説明会が開催されましたが、著者への説明会は開催されませんでした。また弁護士からのお知らせは新風舎のホームページが利用されたため、インターネット環境にない著者は蚊帳の外に置かれました。このために自著の買い取りや事業譲渡について著者の意見が反映されなかったばかりか、著者に不安と混乱を生じさせました。とりわけ新風舎と同様の商法を行っているとして批判されていた文芸社に著者の個人情報が渡ってしまったことに対し、不満を感じている著者も少なくありません。著者への説明会を開催しなかった理由について説明してください。

6.事業譲渡の交渉を行った会社は3社とのことですが、それらの出版社名とその経緯について説明してください。

7.貴職は3月6日付けの著者宛の文書で「3 皆様が同意された場合には、同社グループが上役務を提供します。皆様のもとに一部の外部エディターや自費出版業者から、『廉価で本を造るので、既刊書籍を送るように』という案内が来ることも十分予想されます。その多くは零細事業者であり、流通に乗せる仕組みもなく、費用の保全についても不明というのが実情です」としています。しかし、多くの自費出版業者が書店流通のサービスを行っていますし、あたかも零細出版社が問題であるかのような表現です。また、請負契約において代金の保全制度を持っていないのはごく一般的なことであり、倒産などの不測の事態を見込んで保全制度を設けている会社の方がむしろ奇異に感じられます。たとえ費用の保全制度を設けていても、倒産したなら本の販売が絶たれてしまい新風舎と同様の被害者を出すことになります。どのような情報に基づいてこのような判断をされたのか説明してください。
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by nakusukai | 2008-04-02 15:25 | 質問書と回答

川島弁護士の対応と事業譲渡についての見解

 新風舎の破産管財人である川島英明弁護士は、文芸社に事業譲渡して破産を確定させました。川島弁護士に要望書を送付した当会として、今回の破産処理および事業譲渡に関しての見解をお知らせします。

1.書籍の販売および廃棄について
 当会では断裁処分するのであれば希望する著者に無償で引き渡すことを要望していましたが、定価の2割という買い取り価格は変更されませんでした。商業出版と同様の契約書を用い、著者の負担費用は制作費だと公言していたにも関らず、制作費を上回る費用を請求していた詐欺的商法であることを考慮した判断をされたとは思えず、非常に残念です。

2.著者に対する説明について
 新風舎の倒産にあたっては、1月に印刷会社や外部委託者などの債権者への説明会は開かれましたが、著者への説明会は開催されませんでした。また、弁護士からのお知らせは新風舎のホームページを利用したものであり、インターネット環境にない著者はなんら情報が得られませんでした。多額の費用を支払っている著者に直接説明することなく処理が進められたために、著者の方たちの不安と混乱を招くことになりました。以上の理由から、弁護士は著者説明会を開くべきであったと考えます。

3.事業譲渡の判断について
 文芸社は新風舎と同様の商行為を行っている出版社であり、かねてから批判を受けている会社です。しかも、文芸社は当会の質問書に対して回答せず、文芸社への疑惑や疑問はまったく解決されていません。新風舎の破産処理にあたって共同出版商法の本質的な問題点を調べていたのであれば、きわめて問題のある商行為であることが理解できたと思われます。法の専門化である弁護士が文芸社に事業譲渡したことで、文芸社の商行為にお墨付きを与えることになったともいえます。したがって文芸社に事業を譲渡させたことに大きな疑問を感じざるを得ません。
 事業譲渡にあたっては追加費用がかかるとのことですが、すでに多くの著者が制作費の大半を支払っていると考えられます。それにも関らず支払い済みの費用が考慮されないのであれば事業譲渡することの意味があったのか疑問です。
 さらに、既刊の著者の個人情報がそのまま文芸社に渡されることになりましたが、このような処置に不満を持たれる著者も多いと思われます。
 以上の理由から、文芸社しか受け入れる出版社がなかったのであれば、事業譲渡にこだわるのではなく、データを著者に返還して著者自身に印刷会社や出版社を探してもらう選択肢もありました。
 なお、弁護士は文芸社および関連会社の文芸社ビジュアルアートが「役務(サービスの内容及び費用)を提示する」としていますが、提示される契約が流通出版の「印税タイプ」であるなら、役務を提供する契約(請負契約)ではありません。

4.今後の著者の判断について
 未刊の著者に対しては、文芸社から1ヵ月半をめどに条件が提示されることになっています。文芸社は利益をとらないとのことですので、以下のことについて確認されたうえで慎重に判断されることをお勧めいたします。
(1)著者に提示するのは「売上金還元タイプ」(請負契約)か、あるいは「印税タイプ」(出版社の商品をつくり、その売上金で販売や宣伝などの諸経費を賄う出版形態)か。前者であれば費用はすべて著者負担になりますし、その費用には出版社の利益が加算されることになります。後者であれば、制作実費のみ著者負担で販売や宣伝の費用は本の売上金によって賄う業態といえます。この場合、販売や宣伝にかかる費用以上の売上金が見込める本でなければ提案できないことになります。
(2)制作費の内訳、および販売や宣伝にかかる費用。
(3)本の予定価格。
(4)流通方法。提携書店へ陳列する場合は、その期間や陳列方法、陳列してもらえる書店数。売れ残った本の扱いとその費用(文芸社は提携書店に専用の棚を借り、売れ残った本は自社で買い取っているとされています。また、この棚はジャンル別ではなく同時期に刊行されたさまざまな本をまとめて置いているものです)。
(5)宣伝・広告についての確認と、オプション広告の有無。
(6)販売実績や増刷の実績など(新風舎の本の多くはほとんど売れていなかったといわれています)。
(7)編集のやり直しの有無やその費用(共同出版社では販売レベルまで高めるような編集をしていない場合が多いといわれていますが、販売を前提とするなら質の高い編集は必須です)。
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by nakusukai | 2008-03-17 09:26 | 活動

破産管財人弁護士へ要望書を送付

 当会は新風舎の破産手続き開始を受け、新風舎の著者らがこれ以上の被害を受けることのないよう、破産管財人である川島英明弁護士に以下の要望書を送付しました。

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                                          2008年1月22日
新風舎破産管財人弁護士
川島英明 様

                              共同出版・自費出版の被害をなくす会
                              代表 松田まゆみ

             新風舎の著者への保護措置に関する要望書

 私たち「共同出版・自費出版の被害をなくす会」は、書店販売を掲げた共同出版などと称する商行為による被害をなくすことを目的に活動しているNGOです。
 このたび株式会社新風舎が破産手続きに入り、貴殿が破産管財人となるとの報道がありました。
 新風舎が破産した場合は、制作途中の著者に大きな被害が生じるとともに、倉庫に保管されている在庫書籍が断裁処分される可能性が高いと思われます。
 新風舎は、費用の分担を謳いながら実際には会社の利益まで上乗せした費用を請求して著者を顧客にするという、詐欺的な商法を続けてきました。契約上は著者と出版社の双方が費用分担する条件での商業出版といえますが、その実態は全ての費用とリスクを著者が負担する自費出版と変わらないものです。契約内容と実態が異なる矛盾した商法です。
 大きな新聞広告と数々のコンテストで作品を募集し、著者を錯誤させる勧誘手法は数々の批判を浴びてきましたが、新風舎は批判を省みることなく事業規模を拡大し、自転車操業に陥りました。このような放漫経営を続けたことが破産の原因といえます。
 錯誤させられて契約した著者は、金銭的被害のみならず、精神的な苦痛を受けています。
 このようなことを鑑み、当会は破産管財人である貴殿に以下の要望をいたします。
 
1.制作途中の著者への扱いに対する要望
 制作途中の著者の中にはすでに十分な制作費用を支払っている方が多数います。このまま破産した場合、支払い済みの費用は戻らず、引渡し分の書籍の入手や販売予定の書籍の流通も実現できなくなります。したがって、著者にこれ以上の残金の支払を求めず、希望する著者には入稿した原稿や編集済みあるいは編集途中のデータなどを無償で引き渡すことを求めます。

2.在庫書籍の扱いに対する要望
 倉庫にある在庫書籍は、著者が約束以上の多額の費用を支払って制作された出版物で、著者にとっては大切な本です。しかし破産確定によって断裁処分される可能性が高くなりました。
 著者には1月末を期限に定価の40パーセントの価格で買い取りを求める文書が送付され、21日には新風舎のホームページ上で2月末を期限として20パーセントへと修正された価格が提示されました。しかし、販売が不可能といえる状況下で費用負担を求めるのは非常識です。
 著者は新風舎の不当な請求により会社の利益を含む多額の費用を支払っていること、引き取りを希望している著者がいること、断裁に費用がかかること、書店流通の可能性が絶たれ契約が不履行になっていること、破産は新風舎の詐欺的商法と放漫な経営によってもたらされたこと、著者に精神的苦痛を与えたことなどから、希望する著者には在庫書籍を無償で引き渡すことを求めます。

 なお、本要望書は当会のサイトhttp://nakusukai.exblog.jp/に掲載いたしますことを申し添えます。
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by nakusukai | 2008-01-22 10:05 | 活動

新風舎で制作途中の著者の皆様へ

 新風舎は支援を申し出ていた印刷会社「帆風」の支援断念によって破産手続きに入り、著者に損害を与えないために事業譲渡を模索していると伝えられています。

 破産した場合は、制作途中の著者の本は刊行できず、負担金ももどらないことになります。原稿や編集データなども逸失してしまう可能性が高くなります。

 さらに懸念されるのは、このような制作途中の被害者の方たちに他の出版社が出版の支援を申し出る可能性があるということです。碧天舎が倒産したときにも、新風舎と文芸社(一部の被害者のみ対象)が支援を申し出ましたが、碧天舎と同様の出版形態を行っている同業者に利益を与えることになったといえます。

 このようなことを避けるためにも、制作途中の被害者の方は新たな出版については慎重に考え、早急な判断を下されないことをお勧めします。

 アマチュアの方の本の場合、たとえ書店に流通させたとしても大半はほとんど売れません。出版の目的をよく考え、販売するかどうかも含め、改めて出版し直すべきかどうかを十分検討するべきでしょう。

 どうしても書店流通させたいのであれば、当会の「出版社選びの注意点」を参考にしたうえで、複数の出版社を検討されることをお勧めします。プロの作家ですら編集者が手を入れて本を仕上げるのですから、アマチュアの本を流通させる場合はなおさら作品の推敲・リライトなどプロの編集者による丁寧な編集が必要です。

 十分な編集を行ってもらえるかどうか、本の出版権や所有権が出版社にあるのか著者にあるのか、委託販売(新刊発行時に取次を通じて全国の書店に配本してもらうシステム)してもらえるかどうかなどを確認しましょう。また、編集の内容や印刷方法などによって費用には大きな幅が生じますので、十分な説明を聞いたうえで納得して契約しましょう。

 なお、当会は共同出版を行っている出版社と関って被害者意識をもつ人、このような商行為に疑問をもつ人などがメンバーとなって活動しているNGOです。共同出版などと称されて行われている商行為の問題点を明確にし、悪質な業者に軌道修正を求めるなどの活動によって被害をなくすことを目的に著者の視点から中立の立場で活動しています。

 また、出版の目的は著者によってさまざまですから、著者自身が情報を収集したうえで目的に応じた出版社選びを行うべきだと考えています。

 したがって、相談者に注意を要する出版社の情報を提供することはあっても、特定の出版社を推奨・紹介することは行っていません。
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by nakusukai | 2008-01-22 09:04 | お知らせ

新風舎倒産に関する記事の紹介

新風舎の倒産に関する記事をいくつか紹介します。

インターネット新聞JANJANの記事
新風舎問題で一部同名の出版社が風評被害に見舞われる
風評被害?放漫経営?なっとくできぬ新風舎の説明~債権者説明会で
新風舎の債権は茨の道~避けては通れない共同出版の問題

オーマイニュースの記事
「新風舎倒産」、自費出版ビジネスの終えん?
出版の素人が見た甘い夢
私も新風舎での出版を考えていた

藤原新也さんのブログ
新風舎の倒産に関しての私的見解

月間「記録」編集部ブログ
新風舎倒産で考える自費出版ビジネスへの疑問

双風亭日乗
自費出版大手の新風舎が倒産
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by nakusukai | 2008-01-12 17:40 | リンク集

新風舎倒産への当会の見解

 1月7日に新風舎が東京地裁に民事再生法の申請を行い、事実上倒産しました。負債総額は約20億円とのことです。
 当会は共同出版の問題点を明らかにして軌道修正を求めることを目的に、大手の新風舎と文芸社に公開質問書を送付していました。文芸社からは現時点では回答が来ていませんが、回答のあった新風舎に対しては再質問の準備を進めていた矢先であり、共同出版の問題点が改善されないまま碧天舎と同じ道をたどったことを大変残念に思います。
 共同出版商法については、インターネット上ではかねてからさまざまな批判がありましたが、新風舎については昨年7月に一部の著者が「全国の書店に並ぶ」と嘘の説明を受けて契約したとして損害賠償を求めて提訴したことがマスコミで報道され、これをきっかけに経営が一気に悪化したようです。
 倒産によって最も懸念されることは、契約したものの書籍が発行されず負担金も戻らないというケースが出てしまうことです。新風舎によると事業は継続し、すでに契約を交わしている約1100点の書籍の制作と、これまでに出版された書籍の流通の確保に全力を注ぐとのことですので、本も出来ずお金も戻らないという被害者が出ないよう最大限の努力をしてほしいと思います。
 新風舎の場合、多数の出版賞を掲げて新聞や雑誌広告で原稿を募集し、大半の応募者に共同出版(出版実現プログラム)を提案する手法で出版点数第一位までに登りつめました。しかし、共同出版の問題点はこのような「賞ビジネス」だけではありません。費用の分担を謳っているものの著者に請求する費用が不透明であり、出版社側は何ら費用負担していないのではないかという疑惑が持たれているほか、著者を錯誤させるような勧誘や杜撰な編集、クレジットなどの問題があります。このような問題点をマスコミが報道せず、原稿募集の広告を掲載しつづけたことが被害の拡大につながっています。
 新風舎は、もっと早い段階でこのような手法に終止符をうち、批判を真摯にうけ止めて軌道修正していたなら、倒産という最悪の事態は免れたのではないかと思います。
 同様の出版形態を行っている出版社はほかにも複数あります。これらの出版社が倒産の道をたどらないよう、早急に問題点を認識して軌道修正することを願っております。
 また、碧天舎、新風舎の倒産によって自費出版業界全体のイメージの悪化が懸念されますが、良心的な自費出版社も多数あります。当会では出版社選びの注意点を提示していますので、参考にしていただけたらと思います。
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by nakusukai | 2008-01-08 15:26 | お知らせ