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川島弁護士に質問書を送付

 当会は、新風舎の倒産にあたって文芸社に事業譲渡させた川島英明弁護士に対し、4月1日付けで質問書を送付しました。
 誠実な回答が寄せられることを期待しています。

川島弁護士への質問書
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by nakusukai | 2008-04-02 15:26 | 活動

事業譲渡についての質問書

                                       2008年4月1日
新風舎破産管財人弁護士
川島英明 様

                          共同出版・自費出版の被害をなくす会
                          代表 松田まゆみ

                 事業譲渡についての質問書

 貴職は2月1日以降、3社と事業譲渡の交渉を行い、3月6日に文芸社に事業譲渡したことを公表しました。この事業譲渡についての当会の見解(添付資料参照)は当会のサイトにも掲載いたしましたが、かねてから新風舎と同様の商行為を行い詐欺的商法であると批判されていた文芸社に事業譲渡したことで、法の専門家である弁護士が文芸社への疑惑を明らかにすることなくその商行為を認めてしまったといえます。このような観点から貴職の判断には大きな社会的責任があると考えています。
 文芸社への譲渡額は4000万円であったとの情報もあり、貴職は外部委託者や印刷会社などの債権者への配当を考慮したことは理解できますが、新風舎の経営を担ってきた著者への配慮が感じられない判断です。このような貴職の判断に失望するとともに大きな疑問が生じました。
 そこで、文芸社への事業譲渡について以下の質問にご回答いただきたく、お願い申し上げます。お忙しいところ恐縮ですが、4月25日までにご回答いただけると幸いです。
 なお、本質問書および貴職からの回答は当会のサイトhttp://nakusukai.exblog.jp/に掲載させていただきます。

                         記

1.文芸社は新風舎と同様の詐欺的な商行為を行っているとして批判されている出版社です。すなわち役務を提供する契約ではないのにサービスの契約であると著者を錯誤させるような勧誘、不当な費用請求、杜撰な編集、棚借りというお金に依存した書店陳列、クレジット会社との提携など、さまざまな疑惑や問題が指摘されています。このことはインターネットなどで調べれば容易に分かることです。貴職は文芸社の情報を収集して問題点や疑惑について調べたのでしょうか。

2.新風舎の出版実現プログラム(共同出版)や文芸社の流通出版印税タイプ(協力出版)は、著者が書籍の制作費を負担し販売や宣伝の費用を出版社が負担するとの条件で商業出版と同様に出版権の設定をする契約であり、販売を前提とした著作財産権の取引契約です(これは制作・販売のサービスを提供する請負契約とは明らかに異なります)。この場合、出版社と著者の双方が費用・リスクを負担し、出版社は本を販売することで利益を得なければなりません。ところが出版社は実際には何ら費用負担しておらず、著者から利益を得ていると考えられます。すなわち、出版社が自社の商品を制作・販売するにあたりその費用の総経費以上を著者に負担させ、出版社は何ら費用もリスクも負担せず、著者と本を購入する読者の両者を顧客としているという異常ともいえる商形態であり、請負契約における「ぼったくり」とは異なります。このように契約内容と実態が乖離していること、また出版社に一方的に有利で不公正な取引となっていることについて貴職の見解を説明してください。

3.前述したように文芸社が流通を前提として提案している出版形態には「初版制作費を著者が負担する商業出版」(流通出版の印税タイプ)と「制作・流通のサービスを提供する請負契約」(流通出版の売上還元タイプ)の2種があります。貴職は、文芸社が著者に役務(サービス)の提供をするとしていますが、文芸社が新風舎の著者に提示する契約書がサービスを提供する「流通出版の売上還元タイプ」であるか否かを確認されましたか。

4.当会は文芸社に対して2007年10月1日に質問書(添付資料参照)を送付していますが、文芸社はこれらの質問書に無視を貫いており疑惑はなんら解消されていません。また、2008年3月10日にも制作費についての質問書を送付していますが、現時点で回答は届いていません。このような被害者組織を無視し疑惑や疑問の解決努力をしない文芸社の対応について、貴職の見解をお聞かせください。

5.新風舎の倒産にあたり印刷会社や外部委託者などの債権者に対しては説明会が開催されましたが、著者への説明会は開催されませんでした。また弁護士からのお知らせは新風舎のホームページが利用されたため、インターネット環境にない著者は蚊帳の外に置かれました。このために自著の買い取りや事業譲渡について著者の意見が反映されなかったばかりか、著者に不安と混乱を生じさせました。とりわけ新風舎と同様の商法を行っているとして批判されていた文芸社に著者の個人情報が渡ってしまったことに対し、不満を感じている著者も少なくありません。著者への説明会を開催しなかった理由について説明してください。

6.事業譲渡の交渉を行った会社は3社とのことですが、それらの出版社名とその経緯について説明してください。

7.貴職は3月6日付けの著者宛の文書で「3 皆様が同意された場合には、同社グループが上役務を提供します。皆様のもとに一部の外部エディターや自費出版業者から、『廉価で本を造るので、既刊書籍を送るように』という案内が来ることも十分予想されます。その多くは零細事業者であり、流通に乗せる仕組みもなく、費用の保全についても不明というのが実情です」としています。しかし、多くの自費出版業者が書店流通のサービスを行っていますし、あたかも零細出版社が問題であるかのような表現です。また、請負契約において代金の保全制度を持っていないのはごく一般的なことであり、倒産などの不測の事態を見込んで保全制度を設けている会社の方がむしろ奇異に感じられます。たとえ費用の保全制度を設けていても、倒産したなら本の販売が絶たれてしまい新風舎と同様の被害者を出すことになります。どのような情報に基づいてこのような判断をされたのか説明してください。
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by nakusukai | 2008-04-02 15:25 | 質問書と回答

川島弁護士の対応と事業譲渡についての見解

 新風舎の破産管財人である川島英明弁護士は、文芸社に事業譲渡して破産を確定させました。川島弁護士に要望書を送付した当会として、今回の破産処理および事業譲渡に関しての見解をお知らせします。

1.書籍の販売および廃棄について
 当会では断裁処分するのであれば希望する著者に無償で引き渡すことを要望していましたが、定価の2割という買い取り価格は変更されませんでした。商業出版と同様の契約書を用い、著者の負担費用は制作費だと公言していたにも関らず、制作費を上回る費用を請求していた詐欺的商法であることを考慮した判断をされたとは思えず、非常に残念です。

2.著者に対する説明について
 新風舎の倒産にあたっては、1月に印刷会社や外部委託者などの債権者への説明会は開かれましたが、著者への説明会は開催されませんでした。また、弁護士からのお知らせは新風舎のホームページを利用したものであり、インターネット環境にない著者はなんら情報が得られませんでした。多額の費用を支払っている著者に直接説明することなく処理が進められたために、著者の方たちの不安と混乱を招くことになりました。以上の理由から、弁護士は著者説明会を開くべきであったと考えます。

3.事業譲渡の判断について
 文芸社は新風舎と同様の商行為を行っている出版社であり、かねてから批判を受けている会社です。しかも、文芸社は当会の質問書に対して回答せず、文芸社への疑惑や疑問はまったく解決されていません。新風舎の破産処理にあたって共同出版商法の本質的な問題点を調べていたのであれば、きわめて問題のある商行為であることが理解できたと思われます。法の専門化である弁護士が文芸社に事業譲渡したことで、文芸社の商行為にお墨付きを与えることになったともいえます。したがって文芸社に事業を譲渡させたことに大きな疑問を感じざるを得ません。
 事業譲渡にあたっては追加費用がかかるとのことですが、すでに多くの著者が制作費の大半を支払っていると考えられます。それにも関らず支払い済みの費用が考慮されないのであれば事業譲渡することの意味があったのか疑問です。
 さらに、既刊の著者の個人情報がそのまま文芸社に渡されることになりましたが、このような処置に不満を持たれる著者も多いと思われます。
 以上の理由から、文芸社しか受け入れる出版社がなかったのであれば、事業譲渡にこだわるのではなく、データを著者に返還して著者自身に印刷会社や出版社を探してもらう選択肢もありました。
 なお、弁護士は文芸社および関連会社の文芸社ビジュアルアートが「役務(サービスの内容及び費用)を提示する」としていますが、提示される契約が流通出版の「印税タイプ」であるなら、役務を提供する契約(請負契約)ではありません。

4.今後の著者の判断について
 未刊の著者に対しては、文芸社から1ヵ月半をめどに条件が提示されることになっています。文芸社は利益をとらないとのことですので、以下のことについて確認されたうえで慎重に判断されることをお勧めいたします。
(1)著者に提示するのは「売上金還元タイプ」(請負契約)か、あるいは「印税タイプ」(出版社の商品をつくり、その売上金で販売や宣伝などの諸経費を賄う出版形態)か。前者であれば費用はすべて著者負担になりますし、その費用には出版社の利益が加算されることになります。後者であれば、制作実費のみ著者負担で販売や宣伝の費用は本の売上金によって賄う業態といえます。この場合、販売や宣伝にかかる費用以上の売上金が見込める本でなければ提案できないことになります。
(2)制作費の内訳、および販売や宣伝にかかる費用。
(3)本の予定価格。
(4)流通方法。提携書店へ陳列する場合は、その期間や陳列方法、陳列してもらえる書店数。売れ残った本の扱いとその費用(文芸社は提携書店に専用の棚を借り、売れ残った本は自社で買い取っているとされています。また、この棚はジャンル別ではなく同時期に刊行されたさまざまな本をまとめて置いているものです)。
(5)宣伝・広告についての確認と、オプション広告の有無。
(6)販売実績や増刷の実績など(新風舎の本の多くはほとんど売れていなかったといわれています)。
(7)編集のやり直しの有無やその費用(共同出版社では販売レベルまで高めるような編集をしていない場合が多いといわれていますが、販売を前提とするなら質の高い編集は必須です)。
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by nakusukai | 2008-03-17 09:26 | 活動