タグ:トラブル ( 5 ) タグの人気記事

幻冬舎ルネッサンスとのトラブル事例

 Dさんは2009年10月に幻冬舎ルネッサンスと出版契約を交わし、約250万円の制作費を2回に分けて支払いました。また、契約直後からブログを始め、制作の様子や担当者とのやりとりなど、折に触れブログに書いていました。編集に際し不満に思ったことは、編集者がイラストレーターに誤った発注をしてイメージと異なるイラストになり、文章の修正を求められたことです。

 2010年2月に、本の校了を認める印鑑を押しに来てほしいと言われて会社に行った際、「ドラマ化できる作品」「次回は商業出版で」「誰も描いたことのない作品」などと言って持ちあげられました。

 2010年4月、刊行直後に本の売り方などについて質問したのですが、担当者からは冷たい事務的な返事しかなく、この頃から信頼できなくなっていきました。11月になるとネット書店に本が配本されなくなったために担当者に聞くと、新刊ではなくなるため書店にあまり流通しなくなるとの説明がありましたが、契約時にはそのような説明はありませんでした。

 その後、幻冬舎ルネッサンスのHPに掲載されている「著者たちのその後」というコーナーについて批判的な感想をブログに書いたところ、ブログが炎上しました。これを契機に自費出版社の問題点などについて発言し、担当者に疑問について答えてほしいと依頼したところ、「社内で検討して、年明けにお返事します」とのことでした。

 翌年早々、「Dさんの作品を社内で検討しましたところ、大変面白いので販売にも、今後いっそう力を入れていくことになりました。実は以前から検討してはいたのですが、著者さんを期待させてはいけないので、今まで黙っていました」との電話があり、疑惑の追及は沈静化。次の作品へ意欲を燃やすようになり、本として刊行した作品をウェブ掲載する方向で続編の執筆にとりかかりました。4月に、担当者には、もう二度とやりとりをしないと連絡をしました。

 ところが、担当者から「幻冬舎ルネッサンスで本を出した著者さんの悪口をブログに書いている」という全く身に覚えのないクレームが電話であり、担当者に問い詰めると、原稿を読まずに持ちあげていたことを認めました。このようなことがあり、この会社の問題点を知らせるべくブログに詳細を綴りはじめました。

 その後、会社を訪問したところ「Dさんのことは弁護士に一任してあります。お引き取りください」と言って威圧され、月末には法律事務所からブログの即時削除を求める内容証明郵便が届きました。そこには、これ以上誹謗中傷を書くと刑事事件として訴えるとの記述もありました。Dさんはその内容証明郵便をスキャニングしてブログに画像として貼り付けて、読者に説明しました。

 しかし、脅しや内容証明によって情緒不安定になり、5月はじめにブログを削除してしまいました。そして、新たにブログを立ち上げて、事実を淡々と書き始めたところ、再度、ブログを削除するようにとの内容証明郵便が届き、書籍の流通ストップと契約の解除まで言い渡されました。

 そこで、内容証明郵便を送った法律事務所に電話すると、「誰にもぜったいに秘密に、そして、すでに書かれたブログ記事をすべて消すことを前提に、社長と担当者がもう一度Dさんに会うと言っている。Dさんの小説も読むと言っている。その際、ちょっとした書類に署名捺印してもらいたい」と言われ、ブログの関係記事を削除し、6月に法律事務所に行き社長と担当者に会いました。

 本の編集データを弁護士から返してもらい、残りの本の処分について話そうと思っていたところ、弁護士から二度とブログに書かないこと、さらに幻冬舎ルネッサンスのことを他言しない旨を記した誓約書に署名するよう求められました。あまりにも不当な内容であったため慌てて会議室を出ると、弁護士がエレベーターまで追いかけてきて、エレベーターの「開」ボタンを押さえてしまったため、弁護士の体をすりぬけて非常階段から走って逃げ帰りました。そして、同日よりブログを再開しました。

               **********

【当会の見解】

 Dさんの事例でもっとも問題と思われるのは、ブログの削除要請に関する対応です。もし会社や担当者に対する誹謗中傷があったのであれば、該当部分の修正や削除を求めるなど話し合いでかなり解決できることと思いますが、そのような話し合いもせず、著者からの疑問に答えようともせずにブログの削除を求める内容証明郵便を出したり刑事告発を示唆することは、著者に対する恫喝です。表現の自由を尊重すべき出版社としてあるまじき行為です。

 なお、公益を図ることを目的に、公共の利害に関する事実を摘示する場合は、たとえ社会的評価を低下させる内容であっても名誉毀損は認められないことになっています。

 また、法律事務所に呼び出して会社側に有利な誓約書に署名を迫る行為も脅迫的であり、弁護士の行為は弁護士の職務基本規定に抵触するものと考えます。

 契約に当たっても、販売について十分な説明がなされたとは思われませんし、トラブルとなった際の説明責任も問われます。

 なお、幻冬舎ルネッサンスの出版契約は「出版社に出版権を設定して出版社に所有権のある書籍をつくり、著者には売上金ではなく印税(著作権使用料)を支払う」タイプであり、出版社に一方的に有利になっている上、著者の負担する費用が不明瞭であるという問題があります。
[PR]
by nakusukai | 2011-07-13 15:28 | 事例紹介

NHKへの抗議書

                                         2009年2月17日

日本放送協会 制作局長様

                             共同出版・自費出版の被害をなくす会
                             代表 松田まゆみ

             家計診断についての回答への抗議書

 当会の2008年12月18日付けの質問に対し、チーフ・プロデューサーの石原修氏より2009年1月23日付けで回答がありました。しかし、貴協会の回答は残念ながら質問に即した回答となっていません。マスメディアが回答をはぐらかすことは報道における責任を回避するものです。
 当会は、貴協会の番組づくりの姿勢および被害者組織の質問に的を射た回答をしないことに強く抗議します。なお、回答についての当会の見解は以下の通りです。

質問1の回答について
 当会は、トラブル増加の経緯とその背景にある共同出版の問題点について具体的に説明したうえで、「トラブル増加の経緯や、悪質な出版社についての情報収集を行なったかどうかについて」と、「共同出版について言及しなかった理由」を質問しました。しかし、いずれも回答していません。

質問2の回答について 当会は、共同出版などと称して一部の出版社で行なわれている悪質な商法について具体的に問題点を示し、それに対するNHKの見解を問いましたが、NHKは自らの見解を具体的に示していません。
 「『共同出版』という方法に関しては、国民生活センターや自費出版に詳しい専門家の方、トラブルにあった人の相談窓口などに取材をしました」とのことですが、マスメディアは取材した情報を元に「共同出版」がどのようなものであるかを理解し、問題があるかないかを独自に判断して番組をつくる立場にあります。その判断について質問したにも関わらず、具体的な論拠を挙げることなく「『共同出版』という出版形態自体に問題はない」と回答したことに大きな疑問を抱きます。
 共同出版や文芸社、新風舎についてはインターネット上でも数多くの批判があり、悪質商法として知られていました。また、当会は悪質な共同出版社や被害の具体例などについて情報提供しましたが、番組にそれらを生かしたというより、むしろ疑問のある出版社を紹介するかのような内容でした。
 なお、トラブルを避けるためのポイントとして「費用の目安」や「契約は必ず書面で交わす」ことなどを伝えたとのことですが、請求金額が適正かどうかは契約形態によって異なります。トラブル回避のポイントは、出版の主体者(本の所有権)が誰なのか、販売システムや販売実績などについて著者に不利益なことまで説明しているか、著者を錯誤させるような説明をしていないか、強引なクレジット契約を勧めていないか、賞やコンテストを利用した不適切な勧誘をしていないか、などということです。また書面で契約を交わしていても多数のトラブルが発生しているのは周知の事実です。「費用の目安」や「契約は必ず書面で交わす」などということは、トラブル回避の重要なポイントとはいいがたいものです。

質問3の回答について 疑惑に関する質問をしたのに、それには全く答えていません。
 なお、番組で紹介された事例は、返済能力のない人にクレジットを勧めていること、また販売の困難なジャンルでありながら全国販売を安易に勧めたなど出版社側に大きな責任があるものでした。しかし、リタイアメント情報センターの尾崎浩一氏のコメントは出版社側の問題点を的確に指摘したものではありませんでした。

質問4の回答について
 「B型自分の説明書」(文芸社)や「氷の華」(幻冬舎ルネッサンス)というヒット作があるのは事実ですが、だからこそその版元の行なっている商法の不透明さや問題点を認識した上で適切な番組をつくる責任があります。ヒット作は極めて稀な例でしかありません。その版元の問題点を指摘することなく稀なヒット作を取り上げれば、出版を考えている人に安易にヒットするかもしれないという期待を抱かせ、問題のある出版社に誘導することにつながります。
[PR]
by nakusukai | 2009-02-19 16:03 | その他の文書

「家計診断」についてのNHKからの回答

「家計診断 おすすめ悠々らいふ」に関する質問書への回答がありましたので、掲載いたします。青字の部分は当会の質問内容で、わかりやすいように当会で追加したものです。質問書の全文は以下のページに掲載されています。

「家計診断」についてのNHKへの質問・要望書

               **************
                                      平成21年1月23日
共同出版・自費出版の被害者をなくす会
松田まゆみ様

拝啓 新春の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます
 さて、かねてより、NHKの「家計診断 おすすめ悠々ライフ」について、ご意見を頂戴しております。それに対して、回答させていただきます。

質問1.
 番組では「共同出版」やトラブル増加の経緯について全く言及していませんでした。番組を制作するにあたり、上述した出版形態の台頭とトラブル増加の経緯、悪質な出版社などについての情報収集を行なったのでしょうか。またトラブルの主因となっている「共同出版」について言及しなかった理由を説明してください。
質問2.
 当会は、上記のような出版形態は不当な費用請求を行なっているうえ、著者を錯誤させるなどの点で詐欺的な出版形態であると考えています。また、制作請負契約をする従来の自費出版より、著者に不利な形態です。このような商行為について貴協会の見解をお聞かせください


 質問1、2について
 「共同出版」という出版形態自体に問題はないと考えています。「共同出版」という方法に関しては、国民生活センターや自費出版に詳しい専門家の方、トラブルにあった人の相談窓口などに取材をしました。その結果、共同出版という方法によるトラブルが、最近少なくなっていることがわかりましたが、トラブルを避けるポイントについては番組で触れることにしました。
 番組の中では、「全国で販売する」と言われても書店に行って見あたらないトラブルがあること、「これくらい作ります」と言われても本当にそれだけ作っているのかわからないケースがあることなどを伝え、その上で、費用の目安や、契約は必ず文書で交わすことなど、トラブルを避けるためのポイントをお伝えしました。

質問3.
 リタイアメント情報センターや尾崎浩一氏など、疑惑が解明されていない団体や人物を番組で紹介した理由、また貴協会のホームページに「問い合わせ先」としてリタイアメント情報センターを紹介した理由を説明してください。


 質問3について
 番組では、自費出版のトラブルにあった方を取材し、その方の相談に乗ったリタイアメント情報センターの尾崎浩一氏に、トラブルが生じた原因について話を伺いました。また、ホームページ上の問い合わせ先は、自費出版のトラブルについて実績があり、電話相談、メール相談を受け付けているということからNPO法人の2団体を紹介しています。

質問4.
 文芸社の血液型の本が冒頭で紹介されました。この本はテレビなどでも宣伝されており、文芸社の本であることは知れ渡っています。しかし、文芸社はかねてからトラブルを多発させている問題の多い出版社です。文芸社は近年「著作者保護制度」や「出版契約等締結にかかる倫理綱領」を定めるなどしているものの、共同出版(流通出版の印税タイプ)を続けており、問題はなんら解消されていません。当会の2度にわたる質問書にも回答していません。当会には文芸社をはじめとする複数の出版社の被害事例や情報が寄せられています。これについては事前に番組担当者に伝えました。また出版説明会の様子が流されましたが、これも問題のある大手の共同出版社などがよく行なっているものです。
 血液型の本がヒットしたことや、各地で出版説明会が開かれていることは事実ですが、出版社に関する問題点の指摘がなければ、視聴者は問題のない出版社だと受け止めてしまうと考えられます。なんの説明もなく文芸社の本や出版説明会の様子を紹介した理由を説明してください。


 質問4について
 去年は自費出版した本から大ヒット作が生まれ、自費出版が話題になりました。番組では、自費出版が注目されている理由の一つとして、「B型自分の説明書」「氷の華」といった大ヒット作があったという事実を伝えました。また、出版説明会については、これから自費出版しようと考えている方たちの声を取材するために撮影し、番組ではインタビューで紹介しています。なお、取材した出版説明会は、どこの出版社が開催したものかは言及しておりません。
 なにとぞご理解を賜りますよう、よろしくお願いします。

                                             敬具

                               NHK
                               家計診断 おすすめ悠々ライフ
                               チーフ・プロデューサー
                                        石原 修
[PR]
by nakusukai | 2009-01-27 11:18 | 質問書と回答

「家計診断」についてNHKへの質問・要望書

                                      2008年12月18日
日本放送協会 制作局長様

                           共同出版・自費出版の被害をなくす会
                           代表 松田まゆみ

    「家計診断おすすめ悠々ライフ 自費出版ブーム 費用と注意点は?」
            の番組制作に関する質問および要望書


 当会は、共同出版や自費出版など、流通を前提に著者が費用負担する出版形態での被害をなくすことを目的に被害者などによって設立されたNGOです。共同出版や自費出版の問題点を明らかにして注意喚起するとともに、悪質な事業者に軌道修正を求めることを目的として活動しています。
 11月22日に、自費出版でのトラブルを避けることを目的とした番組「家計診断 おすすめ悠々ライフ 自費出版ブーム 費用と注意点は?」が放送されました。NHKではホームページで事前に体験談などを募っていたため、トラブル多発の発端となった共同出版の問題点や注意すべき出版形態について視聴者に明確に伝わる番組にしていただきたく、当会の代表が番組担当者に電話および電子メールで意見を述べさせていただきました。しかし放送された番組では、トラブルを多発させた共同出版の説明がないまま、共同出版やそれと同様の商形態をとっている出版社の本、重大な疑惑がもたれる団体・人物などを紹介しており、残念ながら番組の制作姿勢に疑問を抱かざるをえない内容でした。
 そこで、トラブルが急増した経緯や共同出版商法の問題点、新風舎倒産にまつわる疑惑などについて以下に説明させていただきます。説明をお読みいただいたうえで、質問に回答くださいますようお願い申し上げます。お忙しいところ恐縮ですが、2009年1月25日までに書面にてご回答ください。質問および回答は公開とさせていただきます。
 なお、今後自費出版に関する番組を企画される場合には、以下の事項について十分な取材や調査を行い、問題点の明確化に努めていただくことを要望いたします。

共同出版とトラブル増加についての経緯
 近年、自費出版でのトラブルが急増している背景には、文芸社や新風舎、碧天舎などが新聞広告などを利用して共同出版・協力出版などと称される詐欺的な出版商法を大々的に展開したことがあります。ほかにも同様の商形態をとっている出版社は複数あります。
 問題とされている共同出版とは、その契約内容から著者が初版の出版費用の一部(制作費としている場合が多い)を出資する商業出版といえるものです。出版社と著者の双方が出版費用を分担し著者には印税を支払う契約ですから、出版社の顧客は商業出版と同様に本を購入する読者でなければなりません。
 ところが、実際には著者に出版費用以上の金額を請求しており(水増し請求)、出版社はなんら費用負担をしていないと考えられます(実際に費用を分担している出版社もあり、その場合は問題があるとは考えていません)。出版社は費用もリスクも負担せずに自社の商品を制作・販売することができ、著者と本の購入者の双方から利益を得るという出版社に一方的に有利な出版形態といえます。不当な請求によって得た利益は契約書籍の出版以外の経費(原稿募集の広告や営業費など)に流用されていると考えられます。
 一冊も売れなくても利益を得られるシステムであれば、作品のレベルや内容、ジャンルなどに関わらず、どんな本にも販売を謳って共同出版を提案することができます。アマチュアの本の販売は困難であり大半がほとんど売れないことを知りながら、販売を掲げることで著者の気を引いて契約させる商法といえます。一部の出版社は多くの著者を獲得するために新聞などに広告を出稿し、錯誤させるような勧誘、不当な費用請求、杜撰な編集、コンテスト落選者への勧誘、強引なクレジット契約などを行なってトラブルの増加につながりました。こうして規模を拡大した出版社は、会社維持のために多数の契約数を獲得しなければならなくなり、同業者間の競争が激化してダンピング、経営悪化につながりました。碧天舎は経営悪化によって2006年3月に、また新風舎は悪質な商法への批判と放漫経営による経営悪化が重なり2008年1月に倒産しました。
 費用の分担を謳わず、「自費出版」と称してこれと同様の商形態を取り入れているのが幻冬舎ルネッサンスなどの出版社です。
 なお、従来から行なわれている自費出版とは、出版社(制作サービス会社や印刷会社)が著者の本の制作を請け負うもので(販売サービスを付加させている場合もある)、出版社の顧客は本の購読者ではなく著者です(著者が出版者である出版形態)。すなわち、上述した共同出版などとは契約形態が全く異なります。本の所有権などが著者にあり、売上金が著者に支払われる点で上述した共同出版より著者に有利です。

新風舎の倒産とリタイアメント情報センター
 碧天舎の倒産後、リタイアメント・ビジネス・ジャーナル編集長の尾崎浩一氏は、複数の出版社によって共同出版商法が行われているにも関わらず、同誌やマスコミ、書籍などによって新風舎のみの批判を展開しました。また、新風舎の被害者組織である「新風舎商法を考える会」に大きく関わりました。同会のメンバーらによる提訴と記者会見によるマスコミ発表、尾崎氏による新風舎批判が新風舎の倒産に拍車をかけたといえます。
 さらに、2007年10月に、尾崎氏が副理事長を努めるリタイアメント情報センターが設立され、自費出版部会によって文芸社がクリアできる内容の事業者向けのガイドラインが作成されました。その後、このガイドラインの賛同事業者に文芸社も登録されています。
 しかし、尾崎氏の深く関わるリタイアメント・ビジネス研究会は文芸社から「始動する『リタイアメント・ビジネス』」という本を出版しています。それによると、リタイアメント研究会は「文芸社総合研究所を中心に会社経営者、経営コンサルタント、ライター、編集者などで構成」と記されており、文芸社との関わりが強く示唆されます。すなわち、文芸社との癒着疑惑の持たれる尾崎氏が新風舎のみを批判し、新風舎の被害者に提訴を働きかけて倒産を煽ったという疑惑が持たれており、その疑惑はなんら解明されていません。

質問1.
 番組では「共同出版」やトラブル増加の経緯について全く言及していませんでした。番組を制作するにあたり、上述した出版形態の台頭とトラブル増加の経緯、悪質な出版社などについての情報収集を行なったのでしょうか。またトラブルの主因となっている「共同出版」について言及しなかった理由を説明してください。
質問2.
 当会は、上記のような出版形態は不当な費用請求を行なっているうえ、著者を錯誤させるなどの点で詐欺的な出版形態であると考えています。また、制作請負契約をする従来の自費出版より、著者に不利な形態です。このような商行為について貴協会の見解をお聞かせください。
質問3.
 リタイアメント情報センターや尾崎浩一氏など、疑惑が解明されていない団体や人物を番組で紹介した理由、また貴協会のホームページに「問い合わせ先」としてリタイアメント情報センターを紹介した理由を説明してください。
質問4.
 文芸社の血液型の本が冒頭で紹介されました。この本はテレビなどでも宣伝されており、文芸社の本であることは知れ渡っています。しかし、文芸社はかねてからトラブルを多発させている問題の多い出版社です。文芸社は近年「著作者保護制度」や「出版契約等締結にかかる倫理綱領」を定めるなどしているものの、共同出版(流通出版の印税タイプ)を続けており、問題はなんら解消されていません。当会の2度にわたる質問書にも回答していません。当会には文芸社をはじめとする複数の出版社の被害事例や情報が寄せられています。これについては事前に番組担当者に伝えました。また出版説明会の様子が流されましたが、これも問題のある大手の共同出版社などがよく行なっているものです。
 血液型の本がヒットしたことや、各地で出版説明会が開かれていることは事実ですが、出版社に関する問題点の指摘がなければ、視聴者は問題のない出版社だと受け止めてしまうと考えられます。なんの説明もなく文芸社の本や出版説明会の様子を紹介した理由を説明してください。
[PR]
by nakusukai | 2009-01-27 11:08 | 質問書と回答

ここに注意!Q&A 契約・解約編

Q 共同出版や自費出版をするのに契約書は交わした方がいいのでしょうか?

A 口約束だけであれば、あとでトラブルになった場合に解決が困難になります。とりわけ著者が費用を負担する出版形態では、きちんと契約書を交わしましょう。

Q 出版契約には決まった形式があるのでしょうか。

A 商業出版と同様に出版社の商品として本をつくる契約なのか、著者に所有権のある本をつくって出版社に販売を委託する契約なのかを確認してください。
 商業出版の出版契約にはいくつかの形式があり、日本書籍出版協会では契約書のひな型を作成しています。最も一般的なのは出版権設定契約です。流通を謳っている共同出版(自費出版としていることもある)の中には、この契約書のひな型を応用している場合があります。所有権が出版社にあり著者に印税が支払われる場合は出版社の商品として本を出版するということです。売れ残った本は出版社のものであり、著者が入手したい場合は購入することになりますし、断裁などの権利も基本的には出版社にありますので注意が必要です。
 本の所有権が著者にある純粋な自費出版では、著者が出版社に販売を委託することになりますから、著者は印税ではなく本の売上金を受け取ることになります。
 出版社によっては、本の所有権が著者にあるとしながら著者には印税を支払うとしていたり、販売分を出版社に贈呈する契約になっていることもあるようです。このような契約は出版社に一方的に有利なものといえます。
 悪質な出版社の場合、契約書は出版社側に有利に書かれている場合があります。不明なことがあればすぐに契約せず、消費者センターや法律の専門家に相談しましょう。期限を区切って契約を迫る出版社は要注意です。

Q 出版費用を出版社と著者の双方で分担すると説明されましたが、契約書にはそのことが明記されていません。本当に出版社は負担してくれるのでしょうか?

A 契約書に費用の分担が明記されていなければ、出版社はなんら費用負担しない可能性もあります。出版社が実質的に費用負担せず、すべての費用を著者が支払うのであれば、売れなくても出版社はリスクを負いません。共同出版・協力出版などという呼称でそのようなことが行われてきました。重要な事柄について、口頭説明と契約書の内容が一致しない場合、口頭で説明された重要事項が契約書に書かれていない場合は注意してください。
 なお、出版社が本当に費用を分担しているかどうかについては、以下のサイトの計算式でおおよその判断がつきます。
http://www.kobeport.net/news/kyodo.html

Q 原稿の書き方をサポートする教材や添削サービスなどが付加された自費出版を勧誘されましたが、編集サービスのある自費出版との違いがよくわかりません。

A 自費出版を行っている会社には、編集サービスを行っているところと著者の原稿をそのまま印刷するだけのところがあります。しっかりした編集体制の整っている自費出版社であれば、文章のチェックや表現の仕方、全体の構成などについて添削や指導をしてもらえるはずです。場合によってはリライトを行うところもあります。サポート教材や添削サービスは、原稿が用意できていない方を自費出版に勧誘することが目的と考えられます。数回の添削や教材程度で売れる本が書けるかのように思わせているのであれば問題です。

Q 説明と実態が異なっていたために途中で解約したいと申し出ましたが、高額な解約料を請求されました。とても納得がいかないのですがどうしたらいいでしょうか?

A 著者に所有権のある本をつくるサービスの契約であれば、消費者契約法が適用されると思います。消費者契約法では、重要事項について事実と異なることを告げられたり、消費者に不利益になることを故意に告げなかった場合は契約を取り消すことができます。また、不当に高額な解約手数料が設定されている場合は、契約条項を無効にすることができます。消費者契約に該当しない場合でも、錯誤して契約した場合には無効が主張できますし、騙して錯誤させた場合は取り消しが主張できます。法律を有効に活用してトラブルに対処するために、行政書士、司法書士、弁護士などに相談されることをお薦めします。

Q 出版社とトラブルになったのですが、クレジット契約をしたために請求は信販会社からきます。これ以上クレジットの支払をしたくないのですが、止めることはできるでしょうか?

A 錯誤などにより契約の無効が主張できる場合、詐欺などで取り消しが主張できる場合、消費者契約法に反する場合などは、クレジットの支払停止抗弁を行うことができます。法的な知識が必要ですから、行政書士、司法書士、弁護士などに相談されるといいでしょう。

Q 契約をする際の注意点について教えてください。

A 以下の点に注意してください。
1.出版契約は一般の方には分かりにくいものです。不明なことがあれば理解できるまで説明を受けてください。内容の説明もせずに印鑑を押すように指示する出版社は要注意です。
2.著者が費用の一部を負担する条件で出版社の商品として本をつくる契約なのか、著者に所有権のある本(著者の商品)の制作サービス・販売サービスの契約なのか確認し、費用や条件について納得したうえで契約しましょう。
3.執拗に勧誘したり契約を急がせる出版社は、著者とともに良い本をつくるということより、著者から利益を得ることしか考えていない可能性があります。クレジット契約を勧める出版社も気をつけましょう。
4.アマチュアの本の多くは書店に流通させるだけではほとんど売れません。それを承知で「販売」を売りに著者を勧誘している出版社があります。契約の際には、販売方法、販売実績、売れなかった場合のリスク、宣伝方法などを説明してもらい、納得したうえで契約しましょう。
5.著者に所有権のある本をつくって大量に売れ残った場合、保管費用を請求されることがあります。著者が大量の本を引き取っても保管場所や処理に困ることになります。本が売れ残る場合を考えて部数を決めるようにしましょう。出版社側が一方的に部数を決めている場合はとりわけ注意が必要です。
6.解約について定めた条項が著者に不利になっていないか、不当に高額な解約料になっていないか確認しましょう。
7.出版社とトラブルになった場合、口頭のやりとりだけでは解決が困難になります。契約にあたっての約束事項については、記録を残すようにしてください。トラブルになったときも電子メールや書面でやりとりをし、記録を残すことが大切です。

*当会では、勧誘された経験談、出版して疑問に思ったこと、失敗談などを募集しています。これから出版を考えている方が悪質商法に惑わされず納得できる出版をするために、ぜひ情報をお寄せください。当会のメールアドレス nakusukai@excite.co.jp
[PR]
by nakusukai | 2008-10-21 17:07 | ここに注意! Q&A