カテゴリ:ここに注意! Q&A( 7 )

ここに注意!Q&A コンテスト・賞・展覧会編

Q コンテストを行なっている出版社があったので応募したところ落選したのですが、良い作品だからといって共同出版(自費出版)を勧められ、迷っています。

A 商業出版社の場合、実力のある新人を発掘するためにコンテストや賞を設けている場合がありますが、共同出版や自費出版を行なっている会社では、落選者の勧誘を目的として賞やコンテストを行なっている場合があり「賞ビジネス」などいわれて問題になっています。プロの作家を目指すのであれば、メジャーな賞に応募することをお勧めします。

Q 著名人の名を冠したコンテストがあります。著名人が関わっているので安心だと思うのですが。

A コンテストに関わっている著名人が、その出版社の商法に詳しいとは限りません。悪質な出版社が著名人を利用して応募者を集めることもありますので、名前だけで信頼することは禁物です。

Q コンテストに入選すると賞金をもらえ、本を無料で出版してくれるそうです。コンテストのための経費はどこから出ているのでしょうか?

A 商業出版社の主催している賞であれば、その出版社の本の売上収入(雑誌を出している出版社の場合は広告収入もある)から捻出されているといえます。しかし、共同出版や自費出版の場合、一般に本の売り上げによる収入は少ないと考えられますので、著者に請求している費用にコンテストの広告費や賞金、出版費用などの諸費用が加算されていると考えるのが妥当でしょう。落選者にも有料の出版を勧める会社は、要注意といえます。

Q 俳句の同人誌に作品を載せていたところ、共同作品集の出版を持ちかれられ、請求された費用を支払って出版しました。その後、有料で展覧会に出品しないかとの勧誘があり不審を感じています。

A 自費出版で利益を得、さらに展覧会などで利益を得る商法と考えられます。判断力の低下した高齢者を相手に次々と契約を結ばせる例がありますので要注意です。句集や歌集はほとんど売れませんので、流通本には向いていません。作品集を本にしたいのであれば、私家本として制作されることをお勧めします。

*当会では、勧誘された経験談、出版して疑問に思ったこと、失敗談などを募集しています。これから出版を考えている方が悪質商法に惑わされず納得できる出版をするために、ぜひ情報をお寄せください。当会のメールアドレス nakusukai@excite.co.jp
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by nakusukai | 2008-11-25 16:35 | ここに注意! Q&A

ここに注意!Q&A 契約・解約編

Q 共同出版や自費出版をするのに契約書は交わした方がいいのでしょうか?

A 口約束だけであれば、あとでトラブルになった場合に解決が困難になります。とりわけ著者が費用を負担する出版形態では、きちんと契約書を交わしましょう。

Q 出版契約には決まった形式があるのでしょうか。

A 商業出版と同様に出版社の商品として本をつくる契約なのか、著者に所有権のある本をつくって出版社に販売を委託する契約なのかを確認してください。
 商業出版の出版契約にはいくつかの形式があり、日本書籍出版協会では契約書のひな型を作成しています。最も一般的なのは出版権設定契約です。流通を謳っている共同出版(自費出版としていることもある)の中には、この契約書のひな型を応用している場合があります。所有権が出版社にあり著者に印税が支払われる場合は出版社の商品として本を出版するということです。売れ残った本は出版社のものであり、著者が入手したい場合は購入することになりますし、断裁などの権利も基本的には出版社にありますので注意が必要です。
 本の所有権が著者にある純粋な自費出版では、著者が出版社に販売を委託することになりますから、著者は印税ではなく本の売上金を受け取ることになります。
 出版社によっては、本の所有権が著者にあるとしながら著者には印税を支払うとしていたり、販売分を出版社に贈呈する契約になっていることもあるようです。このような契約は出版社に一方的に有利なものといえます。
 悪質な出版社の場合、契約書は出版社側に有利に書かれている場合があります。不明なことがあればすぐに契約せず、消費者センターや法律の専門家に相談しましょう。期限を区切って契約を迫る出版社は要注意です。

Q 出版費用を出版社と著者の双方で分担すると説明されましたが、契約書にはそのことが明記されていません。本当に出版社は負担してくれるのでしょうか?

A 契約書に費用の分担が明記されていなければ、出版社はなんら費用負担しない可能性もあります。出版社が実質的に費用負担せず、すべての費用を著者が支払うのであれば、売れなくても出版社はリスクを負いません。共同出版・協力出版などという呼称でそのようなことが行われてきました。重要な事柄について、口頭説明と契約書の内容が一致しない場合、口頭で説明された重要事項が契約書に書かれていない場合は注意してください。
 なお、出版社が本当に費用を分担しているかどうかについては、以下のサイトの計算式でおおよその判断がつきます。
http://www.kobeport.net/news/kyodo.html

Q 原稿の書き方をサポートする教材や添削サービスなどが付加された自費出版を勧誘されましたが、編集サービスのある自費出版との違いがよくわかりません。

A 自費出版を行っている会社には、編集サービスを行っているところと著者の原稿をそのまま印刷するだけのところがあります。しっかりした編集体制の整っている自費出版社であれば、文章のチェックや表現の仕方、全体の構成などについて添削や指導をしてもらえるはずです。場合によってはリライトを行うところもあります。サポート教材や添削サービスは、原稿が用意できていない方を自費出版に勧誘することが目的と考えられます。数回の添削や教材程度で売れる本が書けるかのように思わせているのであれば問題です。

Q 説明と実態が異なっていたために途中で解約したいと申し出ましたが、高額な解約料を請求されました。とても納得がいかないのですがどうしたらいいでしょうか?

A 著者に所有権のある本をつくるサービスの契約であれば、消費者契約法が適用されると思います。消費者契約法では、重要事項について事実と異なることを告げられたり、消費者に不利益になることを故意に告げなかった場合は契約を取り消すことができます。また、不当に高額な解約手数料が設定されている場合は、契約条項を無効にすることができます。消費者契約に該当しない場合でも、錯誤して契約した場合には無効が主張できますし、騙して錯誤させた場合は取り消しが主張できます。法律を有効に活用してトラブルに対処するために、行政書士、司法書士、弁護士などに相談されることをお薦めします。

Q 出版社とトラブルになったのですが、クレジット契約をしたために請求は信販会社からきます。これ以上クレジットの支払をしたくないのですが、止めることはできるでしょうか?

A 錯誤などにより契約の無効が主張できる場合、詐欺などで取り消しが主張できる場合、消費者契約法に反する場合などは、クレジットの支払停止抗弁を行うことができます。法的な知識が必要ですから、行政書士、司法書士、弁護士などに相談されるといいでしょう。

Q 契約をする際の注意点について教えてください。

A 以下の点に注意してください。
1.出版契約は一般の方には分かりにくいものです。不明なことがあれば理解できるまで説明を受けてください。内容の説明もせずに印鑑を押すように指示する出版社は要注意です。
2.著者が費用の一部を負担する条件で出版社の商品として本をつくる契約なのか、著者に所有権のある本(著者の商品)の制作サービス・販売サービスの契約なのか確認し、費用や条件について納得したうえで契約しましょう。
3.執拗に勧誘したり契約を急がせる出版社は、著者とともに良い本をつくるということより、著者から利益を得ることしか考えていない可能性があります。クレジット契約を勧める出版社も気をつけましょう。
4.アマチュアの本の多くは書店に流通させるだけではほとんど売れません。それを承知で「販売」を売りに著者を勧誘している出版社があります。契約の際には、販売方法、販売実績、売れなかった場合のリスク、宣伝方法などを説明してもらい、納得したうえで契約しましょう。
5.著者に所有権のある本をつくって大量に売れ残った場合、保管費用を請求されることがあります。著者が大量の本を引き取っても保管場所や処理に困ることになります。本が売れ残る場合を考えて部数を決めるようにしましょう。出版社側が一方的に部数を決めている場合はとりわけ注意が必要です。
6.解約について定めた条項が著者に不利になっていないか、不当に高額な解約料になっていないか確認しましょう。
7.出版社とトラブルになった場合、口頭のやりとりだけでは解決が困難になります。契約にあたっての約束事項については、記録を残すようにしてください。トラブルになったときも電子メールや書面でやりとりをし、記録を残すことが大切です。

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by nakusukai | 2008-10-21 17:07 | ここに注意! Q&A

ここに注意!Q&A 販売編

Q アマチュアの方から原稿を募集している出版社がありますが、素人の書いた本が書店で売れるのでしょうか?

A 一般的には無名の方の書いた原稿をそのまま本にしただけでは、ほとんど売れないといえるでしょう。無名の著者の本はふつう商業出版では採算がとれないということです。それを知りながら流通を売りにし、悪質な商行為を行っている共同出版社・自費出版社があります。安易に販売を勧める出版社は要注意です。
 しかし、だからといってアマチュアの書いた本は必ずしも販売すべきではないとも考えません。アマチュアの方の本でも優れた内容の本は多数ありますし、稀にベストセラーになることもあります。話題性があったりレベルが高い作品であれば、商業出版できる可能性もあります。作品の内容・ジャンルによって得意とする出版社をあたってみるのも一つの方法です。
 また、純粋な自費出版であっても、質の高い編集や効果的な宣伝などによって、そこそこの部数を販売できることもあります。ただし、ごく個人的な内容のものや売れないジャンルなど、書店販売に向かない本もあります。
 アマチュアの方が書店への流通を希望するのであれば、以下の要件を満たすことが大切だと考えます。
1.ある程度以上のレベルであり、読者を意識して書かれていること。
2.質の高い編集や装丁によって、商品となるレベルに高めてもらえる制作サービス会社であること(出版社が費用・リスクを負う出版形態であれば、これは当然のことです)。
3.優れた内容の本であっても必ず売れるというわけではないので、過剰な期待はしないこと。

Q 流通を謳っている制作サービス会社に販売を委託したのですが、書店を見て歩いてもどこにも置いてありません。本当に流通させてくれたのでしょうか。

A 書店流通には大きく分けて二つのルートがあります。ひとつは新刊が出版されたときに取次(本の問屋)が全国の書店に配本する委託配本と呼ばれるものです。商業出版される本の大半は、このような流通方法をとっていて、出版社は発売に合わせて宣伝をします。しかし、素人の書いた自費出版本は、内容・装丁ともに商品として完成されている本でなければ委託配本で扱ってもらうことは困難です。書店側でも、売れそうにないと思った本は、棚にも置かずに返品してしまうことがあります。委託販売を扱っている制作サービス会社や共同出版社もありますが、編集や販売の方針、販売実績などを確認してみてください。
 もうひとつは、書店から注文があると取次を通じて配本するという方法です。この場合は注文がなければ書店には置かれません。書店に注文してもらえるように働きかけをするなど、積極的に宣伝しなければ書店に置かれないので注意しましょう。
 また、インターネット書店での流通のみに対応している出版社もあるようです。
 どのような流通方法をとっているのか、契約前に詳しく説明してもらいましょう。

Q 全国に提携書店があり、一定期間、必ず本が並ぶと説明されました。確実に並ぶのであれば委託販売より優れた方法だと思うのですが。

A 提携書店に出版社専用の棚を有料で借りている場合があり「棚借り」「棚買い」などと呼ばれています。しかし、書店に置かれれば売れるということではありません。売れ残った本を版元(出版社)が買い取っている場合もあり、お金の力で書店に置いているともいえます。また、提携書店に専用の棚を確保している場合、ジャンル別の棚に本が置かれるのではなく、同時期に出版された本がまとめて置かれることになります。目的をもってジャンル別の棚に本を探しにきている読者の目には、ほとんど触れないといえるでしょう。
 なお、共同出版(本の所有権も出版権も出版社にある契約)の場合、提携書店に並べたり買い取るための費用は出版社の負担なのか、著者の負担なのか確認し、納得したうえで契約しましょう。また、売れ残った本を出版社が買い取っている場合、買い取った本がどのように扱われるのか、著者に報告している実売部数から除かれているのか確認してください。

Q 詩集を出版したいのですが、書店では詩集はあまり見かけません。売れるかどうか心配です。

A 詩集や短歌集、句集などは販売の難しいジャンルといえます。内容が優れていても多数を売るのは困難です。また、無名の方の小説や絵本などもそう簡単には売れません。どうしても販売を望むのであれば、販売が難しいことを理解したうえで、売れ残るリスクを考えて部数を決めるべきでしょう。品質にやや難点がありますが、必要な部数だけを制作するオンデマンド出版もひとつの選択肢です(大部数の場合は割高になります)。
 販売の難しいジャンルの本に販売前提の出版形態を強く勧め、大部数を提案する出版社は、ほとんど売れないことを承知のうえで顧客獲得のために販売を謳って勧誘している可能性が高いといえます。

Q 書店に流通してもらう以外に、売る方法はありますか?

A 著者が自分で売るという方法もあります。著者がお願いすることで、居住地の近くの書店やお店に置いてもらえる場合もあります。地域性のある内容の本であれば、全国販売より地元の書店で販売するほうが効果的でしょう。著者自身がホームページやブログなどで宣伝し、自分で発送して売ることもできます。また電子書籍という形態もあります。趣味に関る本であれば、同じ趣味の団体などで紹介してもらえるかもしれません。いずれにしても、黙っていては売れません。地元の新聞で紹介されたり、書評で取り上げてもらうなど、多くの人に知ってもらえなければ簡単には売れないと思ってください。なお、自分で販売するだけならISBNコードを取得する必然性はありません。

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by nakusukai | 2008-09-11 13:00 | ここに注意! Q&A

ここに注意!Q&A 編集・装丁編

Q 自費出版の編集と商業出版の編集は違いがあるのでしょうか?

A 商業出版においては、編集はなくてはならない作業です。本を売ることで利益を得、会社を運営していかなければならない商業出版では、ふつう編集者がたてた企画・編集方針に基づいて著者を選定し原稿を依頼します。そのうえで編集者が構成を考えながら原稿を整理して本としてまとめあげます。営利を目的とし、読み手を意識して売れる本作りをすることが編集の基本にあり、編集者と著者が二人三脚で本づくりを進めます。著者が費用の一部を負担する場合でも、出版社の商品として本をつくり出版社もリスクを負担するならば、編集者の意向で本がつくられると考えるべきでしょう。
 これに対し、すべての費用を著者が負担する純粋な自費出版では、著者が自著の制作・販売を制作サービス会社に依頼することになりますので、編集サービスがある場合も、基本的には費用を負担する著者の意向が尊重されると考えたほうがいいでしょう。
 しかし、自費出版であっても商品としての本づくりをする場合は、商業出版と同様の質の高い編集が求められます。とりわけ、取次によって全国の書店に委託配本してもらう場合には、内容・装丁ともに商業出版レベルに高められた本でなければ取次の窓口で断わられてしまうこともあります。全国の書店での流通を希望するのであれば、商業出版に劣らない質の高い編集を行っている制作サービス会社を探すことをお勧めします。ただし、その場合は必ずしも著者の意向を全面的に尊重した編集が行われるとは限らないと考えるべきでしょう。アマチュアの原稿はそのままでは販売レベルに達していないものが大半であり、書店での販売を意識するなら修正やリライトが必要なものが多いのが実情です。
 逆に、書店への流通を謳っていながら、誤字・脱字の修正程度の編集しかしない出版社は、読者の視点にたって「売るための本づくり」をしていないともいえます。また、どんな原稿にも書店流通を前提とした出版形態を勧めたり、原稿が用意できていない段階でも販売を前提とした出版を勧める出版社は要注意です。なぜなら、販売に値する原稿があってはじめて流通を前提とした出版があるのですから。

Q 編集とは具体的にどのような作業を指すのでしょうか?

A 商業出版においては、本の企画や原稿の依頼なども編集者の仕事に含まれ、編集方針のもとに作業が進められます。しかしはじめから原稿がある自費出版の場合は、原稿整理やレイアウト、校正、印刷会社やデザイナーとのやりとりなどが編集者の主な仕事といえます。
 原稿整理では、誤字や脱字のチェックはもとより、表記の統一を図ったり、文脈が通っているか、表現が適切か、差別語や著作権侵害・肖像権侵害などがないかどうかなどをチェックします。また、全体の構成や見出し、難しい漢字のルビなども検討します。販売するのであれば、本のタイトルも重要なポイントです。自費出版であっても、友人や知人に配布したり買ってもらう以上、実在する人物のプライバシーに関することや名誉毀損にあたるような表現は慎まなければなりません。
 また、著者校正だけではなく出版社もきちんと校正作業をしてくれるのかどうかを確認してください。著者校正だけでは見落としも多くなりますので、複数の人でゲラをチェックすることが大切です。
 
Q DTPとはなんでしょうか?

A DTPとはDesk Top Publishingの略で、コンピューターを使った組版のことです。DTPソフトを利用すると、パソコンで原稿整理などの編集作業からレイアウト、版下の作成まで行うことができます。最近では組版を外注に出さず、社内でDTPデータの作成まで行う出版社も多くなっているようです。
 DTP編集を行っている出版社の場合、どの程度の原稿整理を行うのか確認することをお勧めします。著者が渡したデジタルデータをそのままDTPソフトに流しこむだけであれば、質の高い編集は望めません。

Q 自分で編集をして印刷会社に本を制作してもらおうと思いますが、問題ないでしょうか?

A 販売せず、自分の書いたものを本の形にすることが目的であれば自分で編集することも可能です。ワープロソフトなどを利用してレイアウトしたデータを印刷所に持ち込んで印刷・製本してもらうこともでき、制作サービス会社に依頼するより安価に本をつくることができます。ただし、販売を目的としているのであれば、プロの編集者がいて本格的な本づくりをし、書店流通サービスも行っている制作サービス会社に依頼するか、あるいは商業出版を目指すことをお勧めします。

Q 自費出版で本をつくることを考えていますが、カバーは商業出版のような垢抜けしたデザインを希望します。自費出版でもプロのデザイナーによるデザインをしてもらえるのでしょうか。

A 制作サービス会社の中には、プロのデザイナーにカバーデザインを依頼しているところもありますので相談してみるといいでしょう。書店に流通させるか否かで、プロのデザイナーにカバーデザインを依頼するかどうかの判断も変わってきます。
 なお、共同出版などの場合、提案された2つのデザインから好きなほうを選ぶという方式をとっていることもありますが、選択しなかったデザインが他の本に使われることもあり得ます。その場合、必ずしもあなたの本のために2つのオリジナルデザイン案を用意したのではなく、使いまわしをしているともいえるでしょう。

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by nakusukai | 2008-08-13 11:21 | ここに注意! Q&A

ここに注意!Q&A 費用編 

Q 自費出版の費用はどのようにして見積もられているのでしょうか?

A 制作請負・販売委託契約を交わす純粋な自費出版の場合、著作権者が出版費用の全額を負担して、著作権者に所有権のある本を制作サービス会社に依頼してつくってもらいます。印刷・製本費、編集費、組版費(DTP編集費)、デザイン費、送料などの諸経費のほかに会社の維持管理費や営業費も含まれた費用が出版費用として見積もられます。請負契約ですから、実費費用のほかに会社の利益が加算されているのです。自費出版を請負っている会社では、ページ数や版型、部数別に料金の一覧表を作成しているところも少なくありません。編集費やデザイン費などはオプションになっていることもあります。
 書店などに流通させる場合は、販売分を出版社が預かり売上金を著者に支払うことになります。流通させるための費用や保管経費なども著者負担になります。出版社にとってのお客さんはあくまでも著者です。
 販売を前提に充実した編集を行う場合は費用も高くなります。また会社の規模や印刷方法などによっても費用は異なってきます。安ければいいというわけではありません。サービスの内容をよく確認し、納得したうえで契約しましょう。

Q 商業出版を行っている出版社は、すべての出版費用を会社が負担しているのですか?

A 商業出版は、出版社が販売を目的に自社の商品として本を制作・流通させ、売上金を出版社が得る業態ですから、通常は出版社が出版費用の全額を負担します。しかし、専門書やアマチュアの書いた本などのようにあまり販売が期待できない本の場合は、リスクを小さくするために著者に買い取りを求めたり出版費用の一部を負担してもらうという条件をつけることがあります。そのような条件がある場合でも、出版社が実際に費用の一部を負担してリスクを負い、本の売上によって利益を得ているのであれば問題はないと考えます。
 なお、小さな出版社や地方出版社などでは、ひとつの会社で商業出版と自費出版の両方を行っていることもあります。

Q 共同出版の費用はどのように見積もられているのでしょうか?

A 共同出版(自費出版と称することもある)の多くは、著者に出版費用(一部または全額)を負担してもらう条件で、商業出版と同様の契約(出版権設定の契約)を交わします。出版社に所有権のある本をつくるのですからその費用は出版社が実際に負担する費用(原価)であるべきと考えますが、見積もりの根拠が不透明で、原価に多額の利益を上乗せしている場合もあるようです。たとえば印刷・製本を著者に負担してもらうという場合でも、実際に印刷会社に支払っている費用(原価)以上を著者に請求している場合があります。
 原価に多額の利益を上乗せした場合、出版社はまったく費用を負担せず、著者から利益を得ることができますし、本の売上金も出版社のものになります。本が売れなくても利益がでるのであれば、内容の良し悪しに関わらず誰にでも出版を勧めることができます。
 著者の負担金について「出版費用」「出版委託金」などと曖昧な表現を使用している出版社もあるようですが、請求された見積費用は何の費用として算出されているのか、それは原価なのか、出版社は費用を負担するのかなど、書面で確認することをお勧めします。

Q 印税が支払われるとのことですが、印税とは何のことでしょうか?

A 印税とは著作権使用料のことです。出版社が自社の商品として本を出版する場合(商業出版)、他人の著作物を勝手に使用することはできません。そこで著者がもっている出版権(複製と頒布の権利)を出版社に設定する必要があります。出版社は一時的に出版権を独占することによって本を制作し、その売上金を得ることができます。出版権を出版社に独占させる見返りとして著者に印税が支払われます。
 印税は一般的には本の定価の10パーセント前後とされていますが、印税なしということもあります。印税は刷り部数に対して払う場合と、売れた部数に対して払う場合があります。
 共同出版などで著者が出版社の利益を含む出版費用を支払っている場合、著者が支払った費用から印税がバックされるという見方もできます。
 なお、制作請負・販売委託契約を交わす純粋な自費出版でも出版権を出版社に設定することがありますが、制作請負契約であれば本の所有権は著者にあるはずですから、著者には印税ではなく売上金が支払われます。

Q 著者の負担する費用は初版の出版費用だけで、増刷からは出版社負担だと説明されました。増刷が無料なら増刷費も著者負担になる普通の自費出版よりお得だと思いますが。

A 出版社が費用を負担して増刷する以上、増刷の費用が回収できると見込めなければ簡単には増刷しません。増刷する場合の条件について確認しましょう。出版社側があまり売れないと判断しているのに著者が増刷を希望した場合、買い取りなどの条件がつくこともあり得ます。
 初版の出版費用の全額を著者が負担している共同出版の場合、出版社は初版の完売によって本の売上金を得ているのですから、その売上純益より増刷費用のほうが安ければ、実質的には増刷費を負担しないといえます。まったくリスクなく増刷できるということです。
 なお、ある程度の販売が見込める本であれば、初版を少なめにして増刷を重ねるよりも、初版部数を多めにしたほうが一冊あたりの単価は安くなります。このために、商業出版では初版で2000~3000部は刷るのが普通です。初版が数百部程度しか提案されないのであれば、出版社ははじめから増刷を想定していないと考えたほうがいいかもしれません。

Q 共同出版では出版社が広告や宣伝をしてくれると思っていたのですが、有料で新聞広告を出さないかとの勧誘を受けました。著者が広告費の負担をするのが普通なのでしょうか?

A どのような広告をし、その費用は誰が負担するのかを契約時にきちんと確認しましょう。広告費はオプションになっている場合もあります。また新聞社が公表している広告掲載料より出版社が実際に支払っている広告掲載料の方が安い場合があります。倒産した新風舎の場合、オプションの広告掲載を勧め、その差額で利益を得ていたと考えられます。

Q 印刷費は印刷方法や部数よって幅があるのでしょうか?

A 書籍の印刷は、通常はオフセット印刷または軽オフセット印刷です。最近ではDTP(編集ソフト)でレイアウトした完全データを利用して版をつくることが一般的になりました。軽オフセット印刷であればデータを印画紙や紙に出力して版をつくりますが、大部数の印刷には向きません。オフセット印刷の場合、従来はフイルムから刷版を作っていましたが、最近はデータから直接刷版をつくるCTP印刷が普及してコストも安くなっています。
 また、刷版をつくらず必要部数に応じて印刷・製本するオンデマンド印刷という方式もありますが、印刷の質は劣りますし製本にも難点があります。部数が多くなると割高になりますので小部数の出版に向きます。
 モノクロで文字が主体の本と、カラー画像が主体の写真集や絵本では費用はまったく違ってきます。使用する紙の質や版型によっても費用は変わります。印刷方法にはそれぞれメリットとデメリットがありますので、安ければいいということにはなりません。出版物の内容や目的、印刷部数に合った印刷方式にするのがベストです。どのような印刷方法をとるのか、出版社に確認するといいでしょう。
 また同じページ数の場合、部数によって用紙や製本の費用は変わってきますが、刷版の費用は変わりません。多く刷ったほうが一冊の単価は安くなります。

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by nakusukai | 2008-07-27 17:27 | ここに注意! Q&A

ここに注意!Q&A 勧誘編

Q 原稿を送ったら大変ほめられ、書店に流通して印税がもらえるタイプの契約を勧められました。きちんと読んでもらって評価されたので出版してみたいのですが。

A 本当にすばらしい作品であるなら、出版社が費用を負担して商業出版(企画出版)にするはずです。普通、編集者がむやみに作品をほめるようなことはしません。契約をさせるために、あなたの気持ちをくすぐって有頂天にさせ「売れるかもしれない」と期待させているといえます。

Q 共同出版で出版した素人の本がベストセラーになった例があるそうです。またドラマなどの原作に選ばれるチャンスもあるそうです。私もそのようなチャンスに賭けてみたいのですが。

A 出版点数の多い共同出版・自費出版社の場合、年間数百点から数千点もの本を出版しています。その点数は講談社などの大手出版社とほとんど変わりません。しかし、そのなかでどれだけの本がベストセラーになっているでしょうか? その出版社の本は大手出版社の本と同じように書店にたくさん置かれていますか? ベストセラーになる確率も、書店に置かれている点数も大手の商業出版社とは比べ物にならないくらい少ないはずです。絶対ヒットしないとはいいませんが、そのような確率は非常に低いといわざるを得ません。

Q 契約をためらっていたら、値下げを提案してきました。サービス価格とのことなのでチャンスだと思うのですが。

A 制作請負・販売委託契約をしている純粋の自費出版社の場合、ページ数や版型に応じた料金表を用意しているところが大半です(編集費などは作品のレベルや本の内容によっても異なってきますからオプション料金にしている場合もあります)。出版社が良心的な費用設定をしているなら大幅な値引きをしたら経営が成り立たなくなってしまいます。何十万円もの値引きができるということは、はじめからかなり多めの費用を請求している可能性があり、値下げした費用でも十分に利益がでていると考えられます。

Q 契約を躊躇していると「今月中であれば特別に安くできます」などと言われて契約期限を区切られたのですが。

A 本を発行するのに、なぜ出版社が契約を急がせなければならないのでしょうか? あなた自身が出版社の立場になって考えてみてください。著者とともに売れる本をつくりたいと考えたら、作品のレベルや内容を吟味したうえでその作品にあった提案をし、お互いに条件を理解して納得したうえで契約するのではないでしょうか? 契約が何ヶ月か先になったとしても出版社に大きな支障はないはずです。
 著者が他社に見積もりをとったり、会社の評判などを調べたり、相談窓口や法の専門家などに相談する時間を与えずに契約させてしまいたいということではないでしょうか。

Q お金がないといって断わったら、クレジットを勧められました。それなら何とか支払が可能だと思うのですが。

A クレジット契約をすると、クレジット会社があなたに代わって出版社に費用を支払うことになります。したがって費用についてはクレジット会社とあなたとの関係になり、クレジット会社に対して代金を払い続けることになります。
 もし出版社とトラブルになった場合、出版社が返金に応じるなどの誠実な対応をしてくれるでしょうか? 納得のいかない出版になってしまった場合でも、残金を支払い続けなければなりません。しかも手数料が含まれますので割高になります。出版社には有利であっても、著者に有利とは思えません。借金までして出版するべきか、慎重に考えるべきです。

Q 本に挟まれている読者カード(葉書)を出したら、本を出版しないかとの勧誘がありました。それまでは出版を考えたことはなかったのですが、とても熱心に勧誘するのでその気になってきました。

A 普通、本に挟まれている読者カードは、出版社が企画の参考にするためのものです。なんとなく出版に興味があるという程度の方にまで積極的に出版を持ちかけ勧誘するというのは、契約しただけで儲かるからではないでしょうか? お金をかけてまで出版する気持ちがなかったのに勧誘によってその気になってしまうというのは、心理を巧みに利用した悪質商法の勧誘と通じるものがあります。

Q 書店やインターネット書店からの注文に対応するだけではなく、提携書店に必ず並ぶといわれました。素人の本は書店に並べてもらうだけでも大変だと聞いたので、よい方法だと思うのですが。

A あなたはその書店リストをもらえるのでしょうか? あなたの居住地から遠くはなれている書店に本当に置かれているのか確認できますか? また書店に置かれたからといって、売れるというわけではありません。その本のことを多くの人に知ってもらうような機会がなければ、名前が知られていない人の本は誰も買わないのではないでしょうか? 
 大型書店に行って無名の著者の本が棚の一隅に差し込まれている光景を想像してみてください。いかにその本を買ってもらうことが難しいかが実感できると思います。
 また、提携書店に本を並べるためには費用がかかります。売れ残った本を出版社が買い取っている場合もあります。その費用は誰が負担しているのでしょうか? 出版社負担としている場合がありますが、本当に出版社が負担しているのか確認できますか?

Q 共同作品集への作品掲載を勧められました。一人で一冊の本を出版するより費用が安いし、著者が多ければ買ってくれる人も多いと思うのですが。

A 一人当たりの費用はそれほど高くなくても、全員の費用を合わせたら出版社にとっては十分すぎる費用になりませんか? 著者への見返りは納得できるものですか? あなたは素人の共同作品集を購入したいと思いますか?
 自分の作品を発表したいのであれば、同人誌や地域で発行している市民文芸誌などに投稿するという方法もあります。このような雑誌で作品を客観的に評価してもらうことも意味のあることです。

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by nakusukai | 2008-07-20 11:13 | ここに注意! Q&A

ここに注意!Q&A 原稿募集の広告編

Q 新聞や雑誌に原稿募集をしている広告が頻繁に掲載されています。大きな新聞社や有名な出版社が掲載している広告ですから悪質な出版社ではないと思うのですが。

A 倒産した碧天舎や新風舎も新聞に大きな広告を出していました。新風舎は著者を錯誤させる勧誘や賞ビジネス、不当と考えられる費用、ずさんな編集や販売方法などが明らかになり悪質商法であることが露呈しましたが、著者らによる提訴などで問題が表面化するまで新聞や雑誌は広告を掲載し続けました。新聞や雑誌に広告が掲載されているからといって、必ずしも問題のない出版社だとはいえません。

Q 新聞の大きな広告はかなりの費用がかかると思いますが、このような費用はどこから捻出されているのでしょうか?

A 商業出版を行っている出版社の場合は本を購入する読者がお客さんであり収入源です(雑誌を発行している出版社の場合は売上金のほかに広告収入もあります)。したがって商業出版社では基本的には本の売上収入によって新聞などの広告費用を捻出しているといえるでしょう。しかし、共同出版・自費出版などと称して著者に出版費用を請求している会社の場合、本の売上収入はわずかで、主として著者からの費用で経営している出版社が多いと考えられます。著者は、新たな著者を勧誘するための広告費も出していると考えるべきでしょう。

Q 原稿募集の新聞広告に著名人の名前が出ていました。著名人が関っているのですからしっかりした会社だと思うのですが。

A 倒産した碧天舎でも著名人の書籍を発行していました。また同じく倒産した新風舎ではエッセイストの井狩春男氏が出版賞の審査委員長をしていましたし、詩人の谷川俊太郎氏、ジャーナリストの江川紹子氏などが本を出版するなど大きく関っており、そのような著名人の名前を見て安心して契約し、被害に遭った方も少なくありません。
 名前を出している著名人の方が、その出版社の行っている出版形態の問題点や実態まで理解しているとは限りません。出版社が著名人の名前を意図的に利用している場合もありますので注意が必要です。出版と関りのある識者の名前を出している場合も同様です。

*当会では、勧誘された経験談、出版して疑問に思ったこと、失敗談などを募集しています。これから出版を考えている方が悪質商法に惑わされず納得できる出版をするために、ぜひ情報をお寄せください。当会のメールアドレス nakusukai@excite.co.jp
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by nakusukai | 2008-07-16 16:29 | ここに注意! Q&A