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出版社選びの注意点

 書店流通を前提として著者が出版費用を負担する出版契約では、著者とのトラブルが多発しています。失敗のない出版社選びのためのチェックポイントをまとめました。

1.本の所有権や出版権が出版社にあるのか著者にあるのかを確認したうえで、以下の項目についてチェックしましょう
(1)本の所有権・出版権(複製と頒布の権利)を出版社に設定し、著者に印税を支払い(初版は印税無しの場合もある)1割程度の本を贈呈する契約であれば、出版社の書籍の制作・販売事業に著者が協力金を支払うという形態です。共同出版などと称していることが多いのですが、最近は自費出版としている会社もあります。この形態でトラブルが多発しています。
 この場合、著者の負担金で出版社が利益を得ている(著者を顧客にしている)ことがあります。出版社は費用負担もリスク負担もなしに著者と購読者の両方から利益を得ることになり、出版社に一方的に有利で不公正な取引になります。売れなくてもリスクがないので、作品のレベルに関わらず勧誘し、販売に力を入れない場合が多いようです。したがって、著者の負担金は何の費用か、また出版社が実際に費用負担しているかどうかを確認しましょう。なお、適正金額の目安については『書店流通型自費出版 初級講座』が参考になります。
 また、この形態の場合、契約書に断り書きがない限り増刷や在庫処分の権利は出版社にあります。

(2)著者に所有権のある本をつくり、販売手数料や保管料などの経費を差し引いた売上金を著者に支払う、制作・販売サービス(制作請負・販売委託契約)。
 この場合、サービスの提供業務ですから、制作や販売の費用は著者が全額負担です。出版社の顧客は著者ですから、出版費用には会社の利益(維持管理費や営業費など)も含まれます。また、費用は編集内容や本の質、印刷方法、会社の規模などで大きな幅があります。編集内容や造本などについて説明を受け、納得したうえで契約しましょう(この場合、上記で紹介したサイトの計算式はあてはまりません)。

2.販売方法を確認しましょう
 書店の棚を有料で借りることで、書店への陳列を約束している場合があります。しかし、一定期間書店に並べるだけではほとんど売れません。出版社が売れ残りの本を買い取っている場合もありますが、お金の力で並べているのであり、買い取り費用まで著者負担金に上乗せされていることもあります。
 また、書店に流通させると謳っていても、注文だけにしか対応していない場合があります。この場合、書店が版元に注文して取り寄せない限り書店には並びません。
 さらに、本が出版されてから有料の広告を勧誘して利益を得ようとする出版社もあります。
 どのような販売方法をとっており、どのような宣伝をしてくれるのか、事前に確認が必要です。

3.出版賞やコンテストは要注意
 出版賞やコンテストを企画して作品を募集し、大半の応募者に販売を前提とした有料の出版形態を提案する出版社があります。賞を利用して顧客集めをしている場合が多く、レベルの高い作品だけに出版を提案しているわけではありません。

4.甘い勧誘に注意
 作品を褒めて販売する出版形態を勧める場合は要注意です。また、過度な褒め方をしなくても「出版の価値がある」などといって強く勧誘する場合も要注意です。

5.ローンによる支払を勧める出版社は禁物
 クレジット会社と提携し、お金がないという著者にローン契約を勧める出版社があります。この場合、クレジット会社が出版社に費用を支払っているので、支払は著者とクレジット会社との契約になりますし、クレジット会社への手数料も生じます。あとでトラブルが生じたり、出版社が倒産した場合もクレジット会社に支払義務が残ることになります。ローンは悪質商法の温床になっています。借金までして出版を考えることは禁物です。

 アマチュアの書いた本の大半は、ほとんど売れません。著者はそのことを十分理解したうえで出版の目的を明確にし、目的にあった出版社を選ぶことをお勧めします。また、トラブルになった場合は、電話ではなく記録の残る電子メールやファックス、文書などでやりとりをし、必要に応じて法律の専門家などに相談されることをお勧めします。
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by nakusukai | 2007-12-28 19:16 | 出版社選びの注意点