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「家計診断」についてのNHKからの回答

「家計診断 おすすめ悠々らいふ」に関する質問書への回答がありましたので、掲載いたします。青字の部分は当会の質問内容で、わかりやすいように当会で追加したものです。質問書の全文は以下のページに掲載されています。

「家計診断」についてのNHKへの質問・要望書

               **************
                                      平成21年1月23日
共同出版・自費出版の被害者をなくす会
松田まゆみ様

拝啓 新春の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます
 さて、かねてより、NHKの「家計診断 おすすめ悠々ライフ」について、ご意見を頂戴しております。それに対して、回答させていただきます。

質問1.
 番組では「共同出版」やトラブル増加の経緯について全く言及していませんでした。番組を制作するにあたり、上述した出版形態の台頭とトラブル増加の経緯、悪質な出版社などについての情報収集を行なったのでしょうか。またトラブルの主因となっている「共同出版」について言及しなかった理由を説明してください。
質問2.
 当会は、上記のような出版形態は不当な費用請求を行なっているうえ、著者を錯誤させるなどの点で詐欺的な出版形態であると考えています。また、制作請負契約をする従来の自費出版より、著者に不利な形態です。このような商行為について貴協会の見解をお聞かせください


 質問1、2について
 「共同出版」という出版形態自体に問題はないと考えています。「共同出版」という方法に関しては、国民生活センターや自費出版に詳しい専門家の方、トラブルにあった人の相談窓口などに取材をしました。その結果、共同出版という方法によるトラブルが、最近少なくなっていることがわかりましたが、トラブルを避けるポイントについては番組で触れることにしました。
 番組の中では、「全国で販売する」と言われても書店に行って見あたらないトラブルがあること、「これくらい作ります」と言われても本当にそれだけ作っているのかわからないケースがあることなどを伝え、その上で、費用の目安や、契約は必ず文書で交わすことなど、トラブルを避けるためのポイントをお伝えしました。

質問3.
 リタイアメント情報センターや尾崎浩一氏など、疑惑が解明されていない団体や人物を番組で紹介した理由、また貴協会のホームページに「問い合わせ先」としてリタイアメント情報センターを紹介した理由を説明してください。


 質問3について
 番組では、自費出版のトラブルにあった方を取材し、その方の相談に乗ったリタイアメント情報センターの尾崎浩一氏に、トラブルが生じた原因について話を伺いました。また、ホームページ上の問い合わせ先は、自費出版のトラブルについて実績があり、電話相談、メール相談を受け付けているということからNPO法人の2団体を紹介しています。

質問4.
 文芸社の血液型の本が冒頭で紹介されました。この本はテレビなどでも宣伝されており、文芸社の本であることは知れ渡っています。しかし、文芸社はかねてからトラブルを多発させている問題の多い出版社です。文芸社は近年「著作者保護制度」や「出版契約等締結にかかる倫理綱領」を定めるなどしているものの、共同出版(流通出版の印税タイプ)を続けており、問題はなんら解消されていません。当会の2度にわたる質問書にも回答していません。当会には文芸社をはじめとする複数の出版社の被害事例や情報が寄せられています。これについては事前に番組担当者に伝えました。また出版説明会の様子が流されましたが、これも問題のある大手の共同出版社などがよく行なっているものです。
 血液型の本がヒットしたことや、各地で出版説明会が開かれていることは事実ですが、出版社に関する問題点の指摘がなければ、視聴者は問題のない出版社だと受け止めてしまうと考えられます。なんの説明もなく文芸社の本や出版説明会の様子を紹介した理由を説明してください。


 質問4について
 去年は自費出版した本から大ヒット作が生まれ、自費出版が話題になりました。番組では、自費出版が注目されている理由の一つとして、「B型自分の説明書」「氷の華」といった大ヒット作があったという事実を伝えました。また、出版説明会については、これから自費出版しようと考えている方たちの声を取材するために撮影し、番組ではインタビューで紹介しています。なお、取材した出版説明会は、どこの出版社が開催したものかは言及しておりません。
 なにとぞご理解を賜りますよう、よろしくお願いします。

                                             敬具

                               NHK
                               家計診断 おすすめ悠々ライフ
                               チーフ・プロデューサー
                                        石原 修
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by nakusukai | 2009-01-27 11:18 | 質問書と回答

「家計診断」についてNHKへの質問・要望書

                                      2008年12月18日
日本放送協会 制作局長様

                           共同出版・自費出版の被害をなくす会
                           代表 松田まゆみ

    「家計診断おすすめ悠々ライフ 自費出版ブーム 費用と注意点は?」
            の番組制作に関する質問および要望書


 当会は、共同出版や自費出版など、流通を前提に著者が費用負担する出版形態での被害をなくすことを目的に被害者などによって設立されたNGOです。共同出版や自費出版の問題点を明らかにして注意喚起するとともに、悪質な事業者に軌道修正を求めることを目的として活動しています。
 11月22日に、自費出版でのトラブルを避けることを目的とした番組「家計診断 おすすめ悠々ライフ 自費出版ブーム 費用と注意点は?」が放送されました。NHKではホームページで事前に体験談などを募っていたため、トラブル多発の発端となった共同出版の問題点や注意すべき出版形態について視聴者に明確に伝わる番組にしていただきたく、当会の代表が番組担当者に電話および電子メールで意見を述べさせていただきました。しかし放送された番組では、トラブルを多発させた共同出版の説明がないまま、共同出版やそれと同様の商形態をとっている出版社の本、重大な疑惑がもたれる団体・人物などを紹介しており、残念ながら番組の制作姿勢に疑問を抱かざるをえない内容でした。
 そこで、トラブルが急増した経緯や共同出版商法の問題点、新風舎倒産にまつわる疑惑などについて以下に説明させていただきます。説明をお読みいただいたうえで、質問に回答くださいますようお願い申し上げます。お忙しいところ恐縮ですが、2009年1月25日までに書面にてご回答ください。質問および回答は公開とさせていただきます。
 なお、今後自費出版に関する番組を企画される場合には、以下の事項について十分な取材や調査を行い、問題点の明確化に努めていただくことを要望いたします。

共同出版とトラブル増加についての経緯
 近年、自費出版でのトラブルが急増している背景には、文芸社や新風舎、碧天舎などが新聞広告などを利用して共同出版・協力出版などと称される詐欺的な出版商法を大々的に展開したことがあります。ほかにも同様の商形態をとっている出版社は複数あります。
 問題とされている共同出版とは、その契約内容から著者が初版の出版費用の一部(制作費としている場合が多い)を出資する商業出版といえるものです。出版社と著者の双方が出版費用を分担し著者には印税を支払う契約ですから、出版社の顧客は商業出版と同様に本を購入する読者でなければなりません。
 ところが、実際には著者に出版費用以上の金額を請求しており(水増し請求)、出版社はなんら費用負担をしていないと考えられます(実際に費用を分担している出版社もあり、その場合は問題があるとは考えていません)。出版社は費用もリスクも負担せずに自社の商品を制作・販売することができ、著者と本の購入者の双方から利益を得るという出版社に一方的に有利な出版形態といえます。不当な請求によって得た利益は契約書籍の出版以外の経費(原稿募集の広告や営業費など)に流用されていると考えられます。
 一冊も売れなくても利益を得られるシステムであれば、作品のレベルや内容、ジャンルなどに関わらず、どんな本にも販売を謳って共同出版を提案することができます。アマチュアの本の販売は困難であり大半がほとんど売れないことを知りながら、販売を掲げることで著者の気を引いて契約させる商法といえます。一部の出版社は多くの著者を獲得するために新聞などに広告を出稿し、錯誤させるような勧誘、不当な費用請求、杜撰な編集、コンテスト落選者への勧誘、強引なクレジット契約などを行なってトラブルの増加につながりました。こうして規模を拡大した出版社は、会社維持のために多数の契約数を獲得しなければならなくなり、同業者間の競争が激化してダンピング、経営悪化につながりました。碧天舎は経営悪化によって2006年3月に、また新風舎は悪質な商法への批判と放漫経営による経営悪化が重なり2008年1月に倒産しました。
 費用の分担を謳わず、「自費出版」と称してこれと同様の商形態を取り入れているのが幻冬舎ルネッサンスなどの出版社です。
 なお、従来から行なわれている自費出版とは、出版社(制作サービス会社や印刷会社)が著者の本の制作を請け負うもので(販売サービスを付加させている場合もある)、出版社の顧客は本の購読者ではなく著者です(著者が出版者である出版形態)。すなわち、上述した共同出版などとは契約形態が全く異なります。本の所有権などが著者にあり、売上金が著者に支払われる点で上述した共同出版より著者に有利です。

新風舎の倒産とリタイアメント情報センター
 碧天舎の倒産後、リタイアメント・ビジネス・ジャーナル編集長の尾崎浩一氏は、複数の出版社によって共同出版商法が行われているにも関わらず、同誌やマスコミ、書籍などによって新風舎のみの批判を展開しました。また、新風舎の被害者組織である「新風舎商法を考える会」に大きく関わりました。同会のメンバーらによる提訴と記者会見によるマスコミ発表、尾崎氏による新風舎批判が新風舎の倒産に拍車をかけたといえます。
 さらに、2007年10月に、尾崎氏が副理事長を努めるリタイアメント情報センターが設立され、自費出版部会によって文芸社がクリアできる内容の事業者向けのガイドラインが作成されました。その後、このガイドラインの賛同事業者に文芸社も登録されています。
 しかし、尾崎氏の深く関わるリタイアメント・ビジネス研究会は文芸社から「始動する『リタイアメント・ビジネス』」という本を出版しています。それによると、リタイアメント研究会は「文芸社総合研究所を中心に会社経営者、経営コンサルタント、ライター、編集者などで構成」と記されており、文芸社との関わりが強く示唆されます。すなわち、文芸社との癒着疑惑の持たれる尾崎氏が新風舎のみを批判し、新風舎の被害者に提訴を働きかけて倒産を煽ったという疑惑が持たれており、その疑惑はなんら解明されていません。

質問1.
 番組では「共同出版」やトラブル増加の経緯について全く言及していませんでした。番組を制作するにあたり、上述した出版形態の台頭とトラブル増加の経緯、悪質な出版社などについての情報収集を行なったのでしょうか。またトラブルの主因となっている「共同出版」について言及しなかった理由を説明してください。
質問2.
 当会は、上記のような出版形態は不当な費用請求を行なっているうえ、著者を錯誤させるなどの点で詐欺的な出版形態であると考えています。また、制作請負契約をする従来の自費出版より、著者に不利な形態です。このような商行為について貴協会の見解をお聞かせください。
質問3.
 リタイアメント情報センターや尾崎浩一氏など、疑惑が解明されていない団体や人物を番組で紹介した理由、また貴協会のホームページに「問い合わせ先」としてリタイアメント情報センターを紹介した理由を説明してください。
質問4.
 文芸社の血液型の本が冒頭で紹介されました。この本はテレビなどでも宣伝されており、文芸社の本であることは知れ渡っています。しかし、文芸社はかねてからトラブルを多発させている問題の多い出版社です。文芸社は近年「著作者保護制度」や「出版契約等締結にかかる倫理綱領」を定めるなどしているものの、共同出版(流通出版の印税タイプ)を続けており、問題はなんら解消されていません。当会の2度にわたる質問書にも回答していません。当会には文芸社をはじめとする複数の出版社の被害事例や情報が寄せられています。これについては事前に番組担当者に伝えました。また出版説明会の様子が流されましたが、これも問題のある大手の共同出版社などがよく行なっているものです。
 血液型の本がヒットしたことや、各地で出版説明会が開かれていることは事実ですが、出版社に関する問題点の指摘がなければ、視聴者は問題のない出版社だと受け止めてしまうと考えられます。なんの説明もなく文芸社の本や出版説明会の様子を紹介した理由を説明してください。
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by nakusukai | 2009-01-27 11:08 | 質問書と回答

新聞社からの回答

質問書(2008年7月21日付)を送付した新聞社からの回答です。

*****

朝日新聞社からの回答

                                         2008年8月18日

共同出版・自費出版の被害をなくす会
代表 松田まゆみ様

                                         朝日新聞社広報部

 冠省 弊社社長の秋山耿太郎宛に7月21日付で「共同出版を行っている出版社の広告掲載についての質問書」をいただきました。対外的な窓口である広報部から回答いたします。

 ご質問は1から5に分かれていますが、まとめてお答えします。
 通常、広告掲載にあたっては、関係諸法規に違反するおそれはないか、社会秩序を乱す表現はないか、プライバシーを侵害するおそれはないか、誇大な表現にあたらないかなど、弊社の広告掲載基準に従って審査しています。個別の案件については、原則として第三者にご説明することは致しておりませんので、ご了承ください。今後の広告掲載につきましては、他の広告と同様に、適切に審査いたします。
                                                  草々

*****

毎日新聞社からの回答

                       回答書

 2008年7月21日付でいただきました「共同出版を行っている出版社の広告掲載について質問書」に対しまして、広告業務を統括する立場にあります当職より回答させていただきます。
 毎日新聞社では独自に定めた「広告掲載基準」にしたがって広告を審査し掲載しています。文芸社の広告も同様です。悪質な出版商法を行っている出版社の原稿を掲載しているという認識はありません。
 自費出版をしようとしている人と出版社は個々に契約を結びます。広告を掲載する媒体が介入する余地はありません。
 今後も文芸社以外の広告主から出稿の申込みがあった場合は個々に判断いたします。
 当社の報道姿勢については、添付いたしました紙面(2008年1月14日付ほか)をご参照ください。なお自費出版を巡る問題点については取材を継続してまいります。
 以上をもって回答とさせていただきます。ご理解をいただければ幸いです。

                                         2008年8月20日
                                  毎日新聞東京本社広告局長
                                             西村 修一

*****

読売新聞社からの回答

                                         2008年8月15日

共同出版・自費出版の被害をなくす会
代表 松田まゆみ 様

                                    読売新聞東京本社広報部

 貴会からの7月21日付質問書に対し、一括して下記の通り回答します。

                         記

 本紙への広告掲載申し込みについては、広告掲載基準に従って個別に掲載の可否を判断しています。同基準には「関係諸法規に違反、または違反の恐れがあるもの」「社会的秩序を乱すような反社会的なもの」等は掲載しない旨の規定があり、共同出版の広告についても個別に適正に判断しています。

                                                 以上

*****

産経新聞社からの回答

共同出版・自費出版の被害をなくす会
代表 松田まゆみ様

 お問合せの「共同出版を行っている出版社の広告掲載についての質問書」についての回答は以下のとおりです。

 産経新聞社では、書籍広告に限らず、広告を掲載するに当り、自社の定める広告掲載機銃に沿って掲載しております。
 掲載の可否についての判断内容は、広告主、広告会社以外には開示しておりません。
 ご了承ください。

 以上です。よろしくお願い申し上げます。

                                        平成20年8月15日
                                     産経新聞社総合企画室
                                      広報部長 鶴谷 和章

*****

日本経済新聞社からの回答

共同出版・自費出版の被害をなくす会代表
松田まゆみ様

 拝啓
 日ごろは日本経済新聞をご購読いただき厚くお礼申し上げます。

  さて、早速ですがご質問にお答え致します。当社では、広告を掲載する際には、公序良俗に反しないことなどをうたった当社の広告掲載基準に基づく適切な審査を経て掲載の可否を決定しています。個別の審査内容につきましてはお答えできません。また、掲載基準は法令の改正や社会状況の変化などにあわせて改訂しています。

 以上、ご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
敬具

 平成20年8月18日
                              日本経済新聞社 広報グループ長
                                             大塚 敏生

*****

北海道新聞社からの回答

                                           2008.8.22

      共同出版・自費出版の被害をなくす会の質問書へのお答え

                                       北海道新聞社広告局

 北海道新聞社広告局では、「北海道新聞広告掲載基準」を規定し、それに基づき、広告の審査を行っております。広告掲載基準に抵触、法令に違反する広告については、内容の修正をお願いするなどして掲載しております。場合によっては、総合的に判断して、広告の掲載をお断りすることもあります。ご指摘の広告につきましても、同様の手続きを経て掲載しております。
 北海道新聞社広告局では、ホームページにて、「北海道新聞広告掲載基準」を公開し、広く皆様にご覧いただけるようにしております。広告局の広告審査に対する姿勢をご理解いただけるものと考えております。
 回答期日の20日に遅れたご返答になりましたことをお詫びいたします。
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by nakusukai | 2008-09-02 09:52 | 質問書と回答

新聞社への質問書


 朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞社、産経新聞社、日本経済新聞社および北海道新聞社に以下の質問書を送付しました。

                   *     *     *

                                        2008年7月21日
     新聞社
代表取締役社長        様

                            共同出版・自費出版の被害をなくす会
                                     代表 松田まゆみ

       共同出版を行っている出版社の広告掲載についての質問書

 当会は、共同出版・協力出版などと称する悪質な出版商法の被害をなくすことを目的に活動しているNGOです。
 昨年は共同出版最大手の新風舎が著者らに提訴され、詐欺的な商法としてクローズアップされましたが、悪質商法への批判と放漫経営によって今年1月に破綻し、同様の出版形態を続けている文芸社に一部の事業が譲渡されました。
 新風舎と同様の商法を行ってきた碧天舎は2006年に倒産しており、かねてから批判されていた共同出版社の大手である文芸社、新風舎、碧天舎のうち2社もが破綻するという事態に至りました。ほかにも同様の商行為をおこなっている出版社は多数あるものと推測されます。
 インターネットなどではかねてから共同出版が批判されていましたが、大手新聞社はこのような出版形態の本質的な問題点をほとんど報道することなく、これらの出版社の原稿募集の広告を掲載し続けてきました。碧天舎や新風舎の被害者の中には大新聞が広告を掲載していることで安心して契約をした方も少なくありません。また、文芸社をはじめとした同業者の広告は今でも掲載されています。
 そこで、悪質な商法を行っている出版社の広告を掲載してきた大手新聞社に、この商法の問題点をご理解いただくとともに、広告を掲載してきたメディアとしての見解をお聞かせいただきたく、以下の質問をさせていただきます。お忙しいところ恐縮ですが、8月20日までに書面にてご回答くださいますようお願い申し上げます。
 なお、この質問書は公開とし、回答は当会のサイトhttp://nakusukai.excite.co.jpに掲載させていただきますことを申し添えます。

                         記

 はじめに、当会が問題としている商行為について説明させていただきます。
 本の出版形態は、著作者を顧客とする自費出版と購読者を顧客とする商業出版に大別されます。
 従来から行われてきた自費出版は、著作権者が制作サービス会社(出版社)に本の制作や販売を請負ってもらうサービス事業を指していました。すなわち著作権者自身が事業主体となって自費で本を制作する出版形態です。以前は制作サービスのみ行う業態が主流でしたが、昨今では販売サービスを付加している会社も少なくありません。すなわち制作サービス会社が手数料をとって著者の本を流通させ、著者に売上金を支払います。自費出版では制作サービス会社の顧客は著者であり、本を購入する読者は著者の顧客という位置づけになります。
 これに対し、商業出版とは出版社が販売を目的に自社の商品として本を制作・流通させる業態です。この場合、本来著作権者がもっている出版権(複製と頒布の権利)を一時的に出版社が独占し、その見返りに著者に印税(著作権使用料)を支払う契約を交わします(著者に所有権のある本をつくり流通させるサービスの契約ではありません)。出版社が主体の出版事業であり、出版社の顧客は本を購入する読者であることが前提の契約です。近年では出版社のリスクを軽減させるために、著者に出版費用の負担を求める場合も少なくないようです。
 当会が問題としているのは、後者のように、著者に費用負担を求めたうえで商業出版と同様の契約を提案する出版形態のうち、実際の出版費用を上回る金額を著者に請求している場合です。共同出版・協力出版などという呼称でアマチュアの著者から原稿を募集し、大半の本がほとんど売れないことを承知で作品を高く評価するなどし、出版社に一方的に有利な契約に誘引するものです。共同出版への批判が高まるとともに流通出版・自費出版など名称を変えてきた出版社もあります。
 この商法の最大の問題点は、著者に請求している費用が実際の出版費用を上回っていて著者を顧客にしている点です。倒産した碧天舎や新風舎では著者の負担金は「制作費」とされていましたが、制作原価をはるかに上回る費用を請求し、本が一冊も売れなくても利益が得られるシステムになっていたといわれています。新風舎の事業譲渡先である文芸社にも同様の疑惑が持たれています(文芸社は著者に請求している費用が原価ではないことを認めています)。
 つまり、出版社は自社の商品の制作・販売にあたり費用もリスクも負担しないばかりか著者から利益まで得、本の売上金も得ていると考えられる商法です。これは出版社に一方的に有利できわめて不公正な取引といえます。本の売上金によって利益を得ることを前提とした出版権の設定契約でありながら、実態は著者と購読者の双方を顧客としているなら、契約内容と実態に乖離が生じています。初版制作費を著者に負担してもらい、販売や保管経費は出版社持ちとしながら実費以上の制作費を請求しているのであれば不当な請求といえます。
 多くの出版社は出版のことがよくわからない著者に、商業出版と自費出版の契約形態の違いを説明せず、制作費の算出根拠も明確にしていないようです。アマチュアの本の大半は書店に並べてもほとんど売れません。そのような事実を十分承知のうえで作品を高く評価して著者に期待を持たせ、大半の応募者を出版社に有利な出版形態に導くという商法です。

 以上をご理解いただいたうえで、以下の質問にお答えくださいますよう、お願い申し上げます。

1.前述したような共同出版の本質的な問題点について、貴社はどのような理解をしていたでしょうか?

2.前述した商行為は悪質と考えられますが、貴社の見解をお聞かせください。なお、文芸社は当会が2回にわたり送付した質問書を無視しており、当会が提示した疑問や疑惑は何ら解明されていません。

3.貴社は広告を掲載する際に審査基準を設けていると思いますが、悪質商法の広告掲載についてどのような基準を設けどのような判断をしているのか説明してください。

4.最大手であった新風舎が倒産し多くの被害者が出ました。以前から共同出版への批判がありながら新聞社はその本質的な問題点をほとんど報道することなく、新風舎の原稿募集の広告を掲載していました。これについて見解をお聞かせください。

5.新風舎の倒産後も同様の商行為を行っている文芸社の広告を掲載されていますが、今後、このような出版社の広告掲載について検討していく考えがありますか。
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by nakusukai | 2008-07-23 10:07 | 質問書と回答

事業譲渡についての質問書

                                       2008年4月1日
新風舎破産管財人弁護士
川島英明 様

                          共同出版・自費出版の被害をなくす会
                          代表 松田まゆみ

                 事業譲渡についての質問書

 貴職は2月1日以降、3社と事業譲渡の交渉を行い、3月6日に文芸社に事業譲渡したことを公表しました。この事業譲渡についての当会の見解(添付資料参照)は当会のサイトにも掲載いたしましたが、かねてから新風舎と同様の商行為を行い詐欺的商法であると批判されていた文芸社に事業譲渡したことで、法の専門家である弁護士が文芸社への疑惑を明らかにすることなくその商行為を認めてしまったといえます。このような観点から貴職の判断には大きな社会的責任があると考えています。
 文芸社への譲渡額は4000万円であったとの情報もあり、貴職は外部委託者や印刷会社などの債権者への配当を考慮したことは理解できますが、新風舎の経営を担ってきた著者への配慮が感じられない判断です。このような貴職の判断に失望するとともに大きな疑問が生じました。
 そこで、文芸社への事業譲渡について以下の質問にご回答いただきたく、お願い申し上げます。お忙しいところ恐縮ですが、4月25日までにご回答いただけると幸いです。
 なお、本質問書および貴職からの回答は当会のサイトhttp://nakusukai.exblog.jp/に掲載させていただきます。

                         記

1.文芸社は新風舎と同様の詐欺的な商行為を行っているとして批判されている出版社です。すなわち役務を提供する契約ではないのにサービスの契約であると著者を錯誤させるような勧誘、不当な費用請求、杜撰な編集、棚借りというお金に依存した書店陳列、クレジット会社との提携など、さまざまな疑惑や問題が指摘されています。このことはインターネットなどで調べれば容易に分かることです。貴職は文芸社の情報を収集して問題点や疑惑について調べたのでしょうか。

2.新風舎の出版実現プログラム(共同出版)や文芸社の流通出版印税タイプ(協力出版)は、著者が書籍の制作費を負担し販売や宣伝の費用を出版社が負担するとの条件で商業出版と同様に出版権の設定をする契約であり、販売を前提とした著作財産権の取引契約です(これは制作・販売のサービスを提供する請負契約とは明らかに異なります)。この場合、出版社と著者の双方が費用・リスクを負担し、出版社は本を販売することで利益を得なければなりません。ところが出版社は実際には何ら費用負担しておらず、著者から利益を得ていると考えられます。すなわち、出版社が自社の商品を制作・販売するにあたりその費用の総経費以上を著者に負担させ、出版社は何ら費用もリスクも負担せず、著者と本を購入する読者の両者を顧客としているという異常ともいえる商形態であり、請負契約における「ぼったくり」とは異なります。このように契約内容と実態が乖離していること、また出版社に一方的に有利で不公正な取引となっていることについて貴職の見解を説明してください。

3.前述したように文芸社が流通を前提として提案している出版形態には「初版制作費を著者が負担する商業出版」(流通出版の印税タイプ)と「制作・流通のサービスを提供する請負契約」(流通出版の売上還元タイプ)の2種があります。貴職は、文芸社が著者に役務(サービス)の提供をするとしていますが、文芸社が新風舎の著者に提示する契約書がサービスを提供する「流通出版の売上還元タイプ」であるか否かを確認されましたか。

4.当会は文芸社に対して2007年10月1日に質問書(添付資料参照)を送付していますが、文芸社はこれらの質問書に無視を貫いており疑惑はなんら解消されていません。また、2008年3月10日にも制作費についての質問書を送付していますが、現時点で回答は届いていません。このような被害者組織を無視し疑惑や疑問の解決努力をしない文芸社の対応について、貴職の見解をお聞かせください。

5.新風舎の倒産にあたり印刷会社や外部委託者などの債権者に対しては説明会が開催されましたが、著者への説明会は開催されませんでした。また弁護士からのお知らせは新風舎のホームページが利用されたため、インターネット環境にない著者は蚊帳の外に置かれました。このために自著の買い取りや事業譲渡について著者の意見が反映されなかったばかりか、著者に不安と混乱を生じさせました。とりわけ新風舎と同様の商法を行っているとして批判されていた文芸社に著者の個人情報が渡ってしまったことに対し、不満を感じている著者も少なくありません。著者への説明会を開催しなかった理由について説明してください。

6.事業譲渡の交渉を行った会社は3社とのことですが、それらの出版社名とその経緯について説明してください。

7.貴職は3月6日付けの著者宛の文書で「3 皆様が同意された場合には、同社グループが上役務を提供します。皆様のもとに一部の外部エディターや自費出版業者から、『廉価で本を造るので、既刊書籍を送るように』という案内が来ることも十分予想されます。その多くは零細事業者であり、流通に乗せる仕組みもなく、費用の保全についても不明というのが実情です」としています。しかし、多くの自費出版業者が書店流通のサービスを行っていますし、あたかも零細出版社が問題であるかのような表現です。また、請負契約において代金の保全制度を持っていないのはごく一般的なことであり、倒産などの不測の事態を見込んで保全制度を設けている会社の方がむしろ奇異に感じられます。たとえ費用の保全制度を設けていても、倒産したなら本の販売が絶たれてしまい新風舎と同様の被害者を出すことになります。どのような情報に基づいてこのような判断をされたのか説明してください。
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by nakusukai | 2008-04-02 15:25 | 質問書と回答

文芸社への制作費についての質問書

                                      2008年3月10日
株式会社文芸社
代表取締役 瓜谷綱延 様

                          共同出版・自費出版の被害をなくす会
                          代表 松田まゆみ

                  制作費についての質問書

 貴社は、当会が昨年10月1日に送付した質問書への回答を無視していますが、新風舎が倒産して共同出版に対する不信感が高まるなかで、このような無責任な態度をとられていることに対し強く抗議いたします。先の質問書への回答を再度求めるとともに、貴社が著者に請求している制作費について疑問が生じましたので、質問させていただきます。お忙しいこととは存知ますが、今月末までにご回答くださいますようお願い申し上げます。

                         記

 貴社は協力出版(流通出版)における制作費の内訳を一部の著者に提示していますが、それらの内訳費用について理解できない点がありますので、下記の質問にお答えください。

 以下は貴社が代表の松田(2001年契約、四六版、並製、278ページ、1000部)、Aさん(2003年契約、四六版、並製、160ページ、1000部)、Bさん(2005年契約、四六版、上製、244ページ、1000部)へ提示した制作費の内訳です。いずれも読み物です。

項目       松田       Aさん       Bさん
組版      195,962    207,200    425,000
用紙      104,647    104,476    136,014
製版      198,506    189,000    226,200
刷版      130,033     92,000     64,500
印刷      205,055    137,800    126,000
PP        10,000     30,000     30,000
製本      219,984     80,000     77,000
リライト               150,000
企画費               250,000    350,000
デザイン    354,177    150,000    230,000
編集費     760,352    400,000    570,000
小計     2,178,717  1,790,476   2,234,714
消費税     108,936     89,524    111,736
計      2,287,653   1,880,000   2,346,450


質問1
Bさんの本は松田よりページ数が少ないにも関らず組版の費用は二倍以上です。製版も松田より高額です。ところが刷版ではBさんの費用は松田の費用の半額です。印刷費にも大きな開きがあります。なぜこのような開きが生じるのか説明してください。

質問2
PP(カバーコーティング)は松田と他の二人では3倍の開きがありますが、部数が同じであるのになぜこのような大きな開きがあるのか説明してください。

質問3
リライトが必要な原稿であるかどうかはいつの時点で決めるのでしょうか。

質問4
制作費に企画費が含まれるというのは理解できません。企画費というのはどのような費用を指すのか具体的に説明してください。

質問5
松田の請求では企画費がありませんが、なぜないのか説明してください。

質問6
Bさんは上製本であるにも関らず、並製本の松田およびAさんより製本費が安くなっていますが、その理由を説明してください。

質問7
デザイン費は松田とAさんでは二倍以上の開きがあります。ともに二つのデザインから選ぶという提案でしたが、なぜこのような大きな開きがあるのか説明してください。

質問8
編集費については、各人が実態に見合わない高額な費用であるとの見解です。しかも著者によって大きなばらつきがあります。どのようにして算出しているのか根拠を説明してください。
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by nakusukai | 2008-03-12 09:50 | 質問書と回答

新風舎からの回答(3)

8.販売努力について
 貴社はアマチュアの著者に対し、書店での販売を謳って共同出版の契約を勧誘しています。出版権の設定契約をし「販売」を売りにする以上は、商品として価値のある本づくりをして販売努力をするのが筋です。ところが、貴社の編集や校正は杜撰との指摘があるうえ、積極的に販売しようとする姿勢がほとんど見られません。自社の商品の販売に力を入れない理由を説明してください。


 小社は刊行物を商品として販売し、また在庫を管理しております。制作や販売には当然力を入れています。自社の商品の販売に力を入れないわけはありません。
 まず、書籍制作においては、デザイン性の高い本づくりを目指し、社内水準を向上させるための活動の一環として、何年も前から、毎月の納品書籍を相互に品評し審査しあう「新風舎デザイン大賞」というイベントを開催しています。社内イベントのため、これまで特に広報することはありませんでしたが、このように研錬を積む環境が功を奏してか、他の出版社や書店、図書館などからも、デザイン性について評価をいただいたり、造本装幀コンクール展で受賞したりした実績もございます。書籍はジャンルによって制作や販売方法が異なることから、ジャンルごとの編集部を組織し、編集部ごとに市場調査や販売の仕掛け方を研究し、また営業先の多くの書店担当者からの助言を活かす努力をすることで、デザインから書籍内容、その見せ方まで工夫を重ねております。
 また、営業に関しても、書籍の特性に合わせて独自の努力をしております。文庫以外のオリジナル仕様の一般書籍は、その書籍に合わせた書店に対する営業を基本として行います。初動としては、著者の方から営業先のご希望を伺う「営業リクエストシート」をもとに書店への訪問、FAX、電話などの方法から小社が任意に選んだやり方で営業をしております。書店にとって書籍は商品ですから、「その書籍を店頭に置いたら売れるかもしれない」と思ってもらえる裏づけが必要です。そのため、「営業リクエストシート」を使って著者の方からもリクエストを取り、書店に対するアピールとなる情報を提供していただいています。書籍を3冊以上ご注文いただいた際には、その書籍のための手作りPOPをお付けして書店に送り、販売の機会を広げる工夫を重ねています。
 その後も、書店に対するフェア開催の提案をし、「地元著者フェア」や場合によってはオールジャンルの大規模なフェアを開催することもありますし、類書が出版された折に、新刊に合わせて既刊の本の営業を行ったり、ラジオ・テレビ・雑誌・新聞など、他媒体に書籍が取り上げられた際にその情報をPRして注文を取ったりするなど、機をとらえて随時営業を続けております。
 また、すべての書籍というわけではありませんが、書籍によっては、図書館流通センターや生協へ営業を行ったり、コンビニエンスストア、博物館、水族館へ営業をしたりするなど、書店以外の販路の開拓もしています。書店以外の販路としては、他に、宿・ホテルへの営業も行っています。旅先で書籍を手にする心地は、また日常とは違うものでしょう。宿泊客のニーズに応えるような書籍を取り揃え、宿内の販売コーナーに棚を設けてもらったり、小規模フェアの開催を行ったりすることもありますし、箱根小涌園にはセレクトショップ「熱風書房」もございます。また、賛同いただいている宿の個室には、小社の図書総目録や一部書籍も置かせていただいております。
 文庫書籍については、また別の方法を取っています。一般論として、機械的な委託配本のかたちが書籍にとって必ずしもよりよい環境ではないとの考えは前述のとおりですが、文庫についてはその限りではありません。文庫は一般的に書店の中に出版社ごとの棚(スペース)があり、そこに置かれることを前提としている書籍です。基本的に単体で営業する性質のものではないため、一般書籍とは違って配本することを基本としています。文庫の棚は出版社が買い取っているわけではなく、書店に対する営業によって確保します。そのため、文庫を配本できる書店を持っていること自体が、まず日頃の営業の結果と言えます。新風舎では、新風舎のラックを持つ書店から、約100店舗に各1冊ずつ配本を行っています。基本的に500部という小部数出版であること、注文に対応するために配本以外の部数を確保する必要もあることから、配本数は約100店舗に1冊ずつとさせていただいております。
 また、全書籍に対するお約束はできませんが、その後の任意の活動として、地元著者フェアなどの提案、文庫フェアの提案などを書店に対して行っています。
 加えて、約束事項ではありませんが、小社の任意の活動として、書籍に合わせた地元マスコミに対してリリースを送付し、書籍を紹介する活動を行っています。献本については、ご契約の内容にしたがって実施するものと、小社の任意の活動として行うものがあります。
 これらの活動によって、マスコミなどから記事掲載の申し込みがあった際には、著者にお伝えし仲介します。掲載情報については、その記事の規模や媒体、掲載のタイミングによって書店の反応が大きく異なりますが、できるだけ販促情報として活かせるように努力しています。また、著者の独自の活動によって記事となる場合も多く、そのアプローチ方法をアドバイスしたり相談に応じたりすることも、小社が著者の表現をサポートする活動の一端です。
 昨今では、インターネットが大きな影響力をもっております。書籍の特性を読者に訴求し販売や広報へも生かせるものとして、小社でもインターネットの利用に力を入れております。自社ホームページは、すべての表現者のための窓口である「MiRai」、新風舎の公式ページ、販売専用の「Wonder Book Store」、コミュニティサイトの「クリエイターズワールド」の4つからなります「MiRai」には、谷川俊太郎さんや黒田征太郎さんにも登場いただき、同じ表現者仲間として、新風舎著者とのはがき1枚を通じての交流もあります。「お知らせ」や「ニュース」記事は、ほぼ毎日少なくとも1つは更新し、1冊ごとの書籍概要を伝える「商品詳細」のページも、日々情報を加え、著者の活躍や書籍のよさをよりよく伝えるために活用しています。
 小社刊行の書籍や著者のパワーを私ども日々感じています。書籍の力が生み出し引き寄せてくる他媒体による紹介記事など、書店や読者に知らせたい情報があふれるばかりにある中で、限られた時間などの制約を受けながら、1冊でも多くの書籍と読者が出合えるように、販促、PRの努力を続けています。
 また、ここ数年、ボローニャの国際児童図書展にも出展して小社刊行の絵本を紹介するなど、海外への書籍紹介にも力を入れています。ここ1年間で、小社刊行書籍の中から100作品ほどが、外国語での翻訳出版を決定し、各国で続々と刊行されています。
 書籍の制作においても営業においても、社の方針として真剣に取り組んでいます。経費とのバランスの中で、できる限りの努力をしていますが、これまでの実績に私どもも満足しているわけではなく、今後も根気強く営業努力を続けてまいる所存です。

9.出版賞について
 貴社は、多数の出版賞を募集し、選に漏れた方ほぼ全員に作品を高く評価して「共同出版」(出版実現プログラム)を推奨してきました。しかし、このような方法は「賞」を利用した顧客集めとして多くの非難を浴びています。貴社はこのようなやり方が問題ないと考えているのかどうか、見解を説明してください。


 新風舎出版賞ばかりではなく、小社では各種のコンテストを開催してきた実績があります。一般的にコンテストと言うと、多くの中からひとつを選び出すために開催するものですが、小社におけるコンテストの開催趣旨は、端的に申しますと、創作のきっかけ作りであり、また作品を本にするためのものということになります。特に出版賞は「本にするための賞」であること、またすべてのコンテストにおいて、受賞作以外にも出版の提案をすることを、広告の段階から明記して謳っております。賞の数には限りがあるので、入賞しない作品も当然出てきますが、入賞しなかった作品だからといって出版する価値がないということはありません。小社の出版理念については、これまでに述べてきたとおりですので、もうご理解いただけるものと思います。それぞれの作品にはそれぞれの輝きがあります。商業ベースに乗らないからと言って、出版する価値がないわけではありません。表現者は多様であり、その表現者から生み出される作品も多様であり、その作品の出版によって生み出される価値も多様です。これが、既成の出版概念を破りたい、と小社が考えるゆえんです。小社が出版した数多くの本をぜひご覧いただきたいと思います。
なお、ひとりでも多くの方に出版していただきたいと考えていますが、公序良俗に反するものなど、小社の方針に合わない作品についてはお勧めしておりません。

10.原稿の審査について
 出版賞に応募した場合と、それ以外の場合について、原稿の審査過程や審査方法を具体的に説明してください。


 出版賞など、コンテストに応募された作品については、締め切り後、何段階にも及ぶ審査を重ねます。また、各段階の審査においても、一作品を必ず複数の審査員が審査し多角的に検討しています。(合議制ではなく、ひとりひとりがそれぞれ見ていく審査方式)。ですので、審査の回数を重ねる入賞作品に至っては、少なくとも10名以上の目をとおることになります。また新風舎出版賞の審査は、出版評論家、エッセイストとして著名な井狩春男さんを審査委員長に、社長・役員・社員に及ぶ全社で行います。
 また、コンテスト以外に随時応募される作品については、現状、プロデューサーの統括者が原稿を見て、内容と著者の情報から相応しい担当者を選任しています。担当者は原稿を読み込んだうえで、著者にご連絡して出版目的などを具体的に伺い、その後出版企画を立てます。原稿の段階から、市場性が見込まれる作品については、「出版オーディション」という社内会議にて各部門から集まった人員が討議、審査し、その結果、小社負担で部数を増やす(初版増刷)などの仕組みも用意しています。

11.今後の経営方針について
 貴社にマスコミによる批判が集中し、万一倒産するようなことにでもなれば、費用を支払ったにもかかわらず本が出版されない被害者が多数出てしまうことが懸念されます。また、貴社から本を出版された方々は、これからも、本を継続して販売してもらうことを望んでいることでしょう。このような事態を避けるために、貴社は速やかに疑問視されているさまざまな事柄について責任ある対応をし、必要に応じて謝罪および軌道修正を行うべきです。この点について貴社の見解をお聞かせください。


 貴会からのご質問にもお答えしたように、小社の事業を正しくご理解いただく努力を重ねていくと同時に、よりわかりやすいご説明にも力を入れていく所存です。もちろん、個別の案件において、小社に至らないところがあればお詫びするのは当然のことで、それはこれまでもこれからも変わることはございません。
 ただし、事実誤認による誹誘・中傷や、「~商法」などのような言葉を意図的に用いて悪質であるかのようなイメージを作り上げ、マスコミの報道を煽動するなどの営業妨害的な勢力に対しては、断固とした姿勢をとっていく心積もりです。
 私どもは、これまで、小社の事業や実際に行っている業務、提供しているサービスについて、外側からどう見えているのか、ということに、いささか鈍感であったのかもしれません。これまでに出版された方々や現在制作中の著者の皆様に対して果たすべき責任は、社内業務の絶え間ない改善・向上と、市場理解のための説明努力によって全うしていきたいと考えております。
 これからも、小社は商業主義に偏重することなく、表現することの価値を世の中に提示していく環境を整え、表現する人々に貢献をし続けてまいります。

■回答送付に際してのお願い■
 このたびお送りする10枚にわたる回答については、小社ホームページにも、貴会からの質問内容とともに掲載の機会を設けたいと考えております。また、貴会のサイト上に掲載する際には、抜粋や修正を行わず、全文を掲載していただきますようにお願いいたします。抜粋や修正を行うことにより、小社側の意図する文脈でなくなり結果として誤解を生じることを避けたく、長文ではありますが、何卒よろしくお取り計らいください。
                                           以上
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by nakusukai | 2007-11-04 20:29 | 質問書と回答

新風舎からの回答(2)

4.契約書の「依頼」という表現について
 貴社の契約書の第一条では、「標記の著作物(以下本著作物という)の出版を乙に依頼する」と書かれています。貴社の契約は出版委託契約ではありませんが、このような表現は著者に委託契約だと錯誤させる可能性があり不適切です。現に、貴社を提訴した原告の方たちは、委託契約だと錯誤しているようです。この点について、貴社の見解を説明してください。


 小社が提供している「初版の費用を著作者が支払って新風舎の出版物として刊行できる」という出版のかたちからして、また最終的には著作者のご判断により出版の申し込みをしていただくというかたちからして、出版を依頼するという表現には問題がないと考えております。

5.出版形態ごとの出版点数について
 貴社は企画出版・共同出版・自費出版の3種の出版形態を提示していますが、それぞれの年間の出版点数について教えてください。


 自費出版(自主出版)は別として、企画出版か否かということで、出版した書籍を分けて管理しているわけではないので、それぞれの刊行点数は公開していませんが、2006年度の刊行点数は合計2465点で、そのうち約9割が、何らかのかたちで著者の方に出版費用を負担していただき出版している書籍です。(「何らかの」というのは、初版増刷などにより制作費も一部小社が負担する場合があるため。)

6.増刷率について
 貴社の共同出版の増刷率を教えてください。また、増刷する場合、著者が本を買い取る、あるいは費用を負担する条件をつける場合があるのかどうか、あるならその割合も教えてください。


 小社ホームページでも増刷された書籍を随時ご紹介していますが、増刷にいたる書籍は、現状、全体の約1割です。またこれとは別に、小社には「初版増刷」というシステムがあり、当初500部で契約し、その制作費用を著者に負担していただいた書籍について、刊行に至るまでの間の営業・広報活動及び編集により、書籍の市場価値が高まった場合に、小社の負担で初版の部数を増やし、増刷した分の著作権使用料(印税)を著者の方にお支払いしています。
 また、本来、増刷は市場性を検討し出版社の任意の判断によって行うものですが、小社では「増刷保証制度」を設け、増刷保証の取り交わしをした書籍(全体の9割以上)については、初版の発行日から1年以内に完売した場合には必ず増刷しています。もちろん、その際の増刷費用は小社負担です。増刷保証期間を越えた場合は、その後の販売見通しから判断し増刷が必要だと考える書籍については小社負担で増刷します。これは出版社としてごく正当なことだと考えます。
 増刷保証制度をご利用になるため、著者の方が主体的にその期間終了間際の在庫書籍を買い取られることはありますが、著者に買い取っていただくことを条件としているわけではありません。また、販売の見通しから、小社負担での増刷が難しい場合でも、著者が強く増刷を希望される場合には、著者に増刷費用を負担していただければ増刷することが可能なので、そのようにご案内することはあります。

7.流通・販売の説明について
 貴社が本年7月に著者に送付した「小社に関する報道について」という文書によると、貴社は、文庫以外の書籍については取次を通じた委託配本を行っておらず、書店からの注文にのみ対応しているとのことです。書店に置かれないという著者からの苦情は、書店での販売を謳いながら、このような書籍の流通システムについて著者に十分な説明をしていなかったことに起因すると考えられますが、これまで著者にきちんと説明していなかった理由を明らかにしてください。


 回答に先立ちまして、まず、書店に対する書籍流通の仕組みを簡単にご説明いたします。
 書籍は、出版社と書店の仲立ちとなる取次と呼ばれる書籍の販売会社(卸商)を通じて流通します。一般的に、出版社からの書籍出荷は、書店からの注文にしたがって随時出荷する場合と、新刊時の取次委託配本を行うものとに大別されます。書店から注文をいただくためには書籍の存在を知らせる営業が必要です。また、委託配本というのは、出版社が取次会社に配本を委託し取次会社の任意により書店に配本するシステムですが、これについても、刊行前に出版社が書店に事前営業をしておおよその注文を取り、その注文状況をもって取次会社に交渉することによって、委託配本の部数が決まるといった工程を踏みます。小社でも、書籍によっては委託配本する場合もあります。また、小社が文庫書籍について行っている配本は、書店に対する営業の結果として設置した小社文庫専用ラックを持つ書店に対して行っているもので、取次委託配本とは性質を異にしています。
 さらに、自費出版系の他社が行っているように書店に自社の棚を買い取るかたちで確保して行う配本は、取次委託配本とも小社の文庫配本とも性質の違うものです。
 以上を前提として、ここに改めて、小社の出版姿勢と営業方針についてご説明いたします。
 小社は、誰でもが出版できる環境を提供すべく企業活動を行っています。従来の出版界では商業的価値のある本しか出版することができず、自費出版の書籍は読者が書店で買い求めることは困難でした。その既成概念を破り、小社は、初版の出版費用(制作費)を著作者にご負担いただくことによって、その著作物を小社の出版物として刊行し、書店から注文して購入することができる体制を確立いたしました。在庫の書籍については小社が頒布権を所有し、長期にわたる任意の努力によって、ひとりでも多くの読者を獲得していけるよう努めていくのが、小社の基本姿勢です。
 そもそも、表現の良し悪しを誰がどのように決めるのでしょうか。人がそれぞれ個性の輝きを放つように、人が生み出す作品もそれぞれの魅力に溢れています。「商業的価値がないから」というだけで出版できないのはあまりにも偏狭であり、それぞれの書籍の価値を求める人がきっといるはずだという考えが小社の出発点としてあります。「表現者のための出版社」を掲げているのもそういった理由です。だからこそ、小部数を基本とした出版を提案しています。
 書籍流通において、出版社は取次を経由することによって、書店に書籍を置いてもらうことができます。多くの書籍は、取次による配本により書店に流通しています。書店側は商品を委託のかたちで受け取り、返品を行うことが可能です。問屋と商店の間で売買が行われる一般商品とは、その点で仕組みを異にしている、といえます。また、書店から出版社へ直接注文を受けた際にも、書籍は取次を通して出荷されます。
 小社では、大部数を印刷し、取次に委託して形式的に書籍を配本することは、商業べ-スに乗りにくい小部数の出版には適さないと考えています。書店では、配本された書籍を必ず店頭に置くとは限らず、中には、たまたまその書店員が名前を知らない作家の作品だというだけで開封もせずに返品されてしまうものさえあるのが現実です。そのため、小社では、基本的に形式的な配本は行わず、書店に書籍を紹介して書店員に興味をもってもらい注文してもらえるよう営業を行うことを基本姿勢としています。書店からの注文を受けた書籍が取次ぎを通して書店へ届く仕組みは変わりませんが、書店側では担当者が注文した書籍が届くので、注文時のイメージにあった棚に置かれることとなります。長く在庫を抱え、地道に売り続けていくことによって、時間はかかっても、その本を真に愛読してくれる読者をひとりずつ獲得していくことを目指しています。もちろん、広く読者を獲得できる可能性がある書籍については委託配本を行っています。
 自費出版系の出版社の中には、書店の棚を買い取り、その棚に一定期間陳列するという仕組みを持つ出版社もありますが、小社は敢えてその方法を取っておりません。その手法は確かに一時的に書店に置く事実を作ることができるので魅力的に映りますが、実際には、小説、詩、写真集などジャンルを問わず同じ棚に入ってしまい、例えば詩集を求める一般読者がその特定の出版社の棚に詩集を求めに行くかといえばそうとはいえないのではないかと考えるからです。また、ごく短期間で出版社が買い戻す、この方法にたよることは、本の寿命を短命にしかねず、大きなコスト負担にもなります。したがって、この方法によるアプローチは書籍にとって相応しい方法ではないという認識を小社ではもっております。実は、小社でも似たような手法を取ったこともあるのですが、単に置くだけでは売れないということを、身をもって体験しています。ただし、やりようによっては、一定期間店頭に置く方法も書籍販売の実売につなげられる可能性があると考え、今後も検討していきたいと考えています。
 書籍を店頭に置くかどうかは書店が判断することであり、小社としてできることは、書店から注文してもらえるよう営業すること、また長期にわたって在庫し販売体制を維持することにより可能性を広げていくことであると、契約までの段階で口頭説明や企画書、「制作から販売までQ&A」などの資料でお伝えしています。が、これまで一般には開放されていなかった、出版の世界、出版流通の複雑な世界を小社がはじめに開いた、という責任を常にもちながら、今後はさらにわかりやすくご理解いただけるよう、努めてまいりたいと思います。実際に、新しい資料作りなどの計画を具体的に進めているところです。
 また、それぞれの輝きを湛える本の存在を多くの人に知ってほしい、本を大切に売り続けるということの大事さを多くの人にわかってほしい、そんな思いから直営の書店を作り運営し続けてきました。大都市に店を構えて維持していくことは、けっして簡単なことではありませんが、少しでも、新風舎刊行書籍を長期で店頭販売する機会を生み出したい、という思いから、直営書店を運営しています。
つづく
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by nakusukai | 2007-11-04 20:23 | 質問書と回答

新風舎からの回答(1)

共同出版・自費出版の被害をなくす会御中

                                 2007年10月30日
                                 株式会社 新風舎

                 公開質問書への回答


 小社は、自由な出版環境や表現の場を用意して、多くの人に≪表現の愉しみ≫を知ってもらうこと、表現によって人がつながり、この世界を楽しんでもらうことを目指して、出版業と出版サービス業を主軸とした企業活動を行なっております。
 創業から現在までの間に、10,000点以上の書籍を刊行し、そのほとんどの著者の方と現在も契約関係にあり、お付き合いを継続しております。
 そのような中、本年7月4日に、小社で出版した著者を含む4名の方が小社に対して損害賠償請求を起こしました。この事実については厳粛に受け止め、円満に解決することを目指しているところでございます。小社に対する提訴によって、他の著者の方々にご心配やご迷惑をおかけしたことを文書にてお詫びいたしましたが、提訴に付随するマスコミ報道の中には、事実誤認に基づく内容も多く、それによって小社事業や表現活動をする著者に対する多くの誤解を生じたことは、誠に遺憾に思っております。
 この機会に、改めて小社事業に関して皆様にご理解を深めていただければと考え、以下のとおり、ご説明いたします。

■質問への回答■

1.著者の負担する費用について
(1)貴社は、昨年までの新聞広告において、「出版実現プログラム」での著者の負担費用は「制作費」であると明記しています。朝日新聞のフロントライナー(2006年10月7日付け)でも、松崎社長みずから、「印刷や装丁などの制作費を著者が、販売や宣伝費などはこちらが持ちます」と説明しています。また、読売新聞(2005年8月3日付け)でも同様の説明をしています。
しかし、貴社が著者に請求している「制作費」は印刷や製本、組版またはDTP、編集やデザインなどの原価を上回り、結果的に著者が販売や宣伝費も負担しているものと推測されます。例えば、貴社がオリーブさん(ハンドルネーム)に提示した見積金額の内訳が、インターネット上で公開されています(My News Japan 2007年2月6日)。それによると、約250万円(消費税を含む)の制作費のうち、企画費17万8000円、管理費11万9000円となっていますが、企画費に17万8000円もかかるとは信じがたいことです。「企画費の内容の内訳」「管理費の内訳」について説明してください。
 また、貴社が「制作費」として著者に提示している費用は、原価として算出しているものなのか、それとも請負契約のように利益を加算したものなのか、明確に説明してください。

(2)著者に提示している費用が原価ではない場合、貴社が実質的に何ら費用負担しておらず著者から利益を得ている疑いがもたれます。商業出版形態の契約の場合、出版社は本の販売収益を得ることを前提としているのですから、著者から利益を得ているのであればきわめて不公正な取引といえます。貴社は実質的に費用負担をしているのか、あるいはしていないのか、説明してください。

(3)著者に提示している費用が原価ではなく、利益を加算している場合、制作費、すなわち自社の商品の生産費用に利益を加算することが正当と考える理由を説明してください。

(4)貴社はこれまで著者の負担金は「制作費」であると説明してきましたが、契約書にはそれが明記されていません。新聞広告などでは「制作費」と明記しながら、契約書には著者の負担金が「制作費」であることを明記していない理由について、説明してください。

(5)最近の新聞広告では、著者の負担金は「制作費」ではなく「出版費用」となっていますが、これらの違いについて説明してください。


(1)~(5)についてまとめてお答えします。
 小社の出版実現プログラムにおいて、著者の方に負担していただく費用については、現在、「出版費用および販促オプション費用」とご説明しております。説明文言変更の理由と費用に関してご説明いたします。
 旧来の「自費出版」は、印刷・製本し、全冊を発注者にお渡しして業務完了というものでした。その形態においては、出版費用=書籍制作費であり、出版とは称しますが、本の形に作る、というところで終わりでした。
 しかしながら、小社が提示する「出版」は、書籍の制作のみならず、その後の宣伝、販売、在庫管理等々まで含んだ総合的なものですので、著者にご負担いただく費用を端的に説明する際、その都度、わかりやすさを考慮して、「出版費用の一部」「制作費」などの表現を用いた経緯がございます。現在、「出版費用」とお伝えしているのは、「制作費」と言った場合に、著者の方が「印刷・製本」だけをイメージしがちであることや、「出版費用」という言い方をした方が、実際に行っている制作業務全般をイメージしていただきやすいとの判断からです。説明文言については今後も変わる可能性がありますが、いずれにしても、わかりやすい説明を心がけていきたいと考えています。
 また、制作費については、組版、DTP、編集、デザインなど、編集担当者の人件費や外部業者へ発注する価格と、印刷・製本の費用、管理部門を含めた人件費など、制作に関わる一切を含んだものです。一点一点の書籍について最終的に事実上の利益がどれくらい出るか、または出ないか、ということはひじょうに算出が困難ですが、総じて言えば、ほとんど利益は出ておりません。ただ、企業運営として、出版サービス業においても、著者にご提示する費用に利益を計上するのが、むしろ健全であり、正当なことと思われます。
 費用の明細については、外部業者への発注金額が業者間の取り決めにより公表できない性質のものであることなど、開示できない情報を含むなどの理由から、正確なものをお出しすることが難しいため、現在はお出ししておりません。以前には、企画費・管理費などに分けてご説明したことがありますが、それぞれが、明細費用の積み上げとしてお出ししている数字というわけではなく、小社における出版形態の企画開発費や管理費の割合をご提示金額の総額の中でわかりやすく提示したものです。事実上は、費用のほとんどは上記のように制作費として使わせていただいています。
 また、小社は実質的に費用を負担しています。書籍の流通体制を維持し、長期にわたり在庫管理をしていくだけでも、多額の費用がかかります。書籍の営業・販売は、当然営業経費とのバランスの中で行っていきますが、在庫を抱えたまま売らずにいれば経費はかさむ一方です。また、営業によって書店から注文を取り、取次(書籍の販売会社、卸商)を通して出荷しても、出版流通の特性上、結果的に売れずに返品されてくる場合もあり、その返品手数料も小社が負担しています。誤解を懼れずに言えば、売れ筋書籍の販売利益が小部数書籍に関する多様な営業と長期販売を支えていると言っても過言ではありません。
 著者に負担していただく費用が、概して100~200万円という金額であるため、印刷所における印刷・製本の費用と単純比較して、膨大な利益を生んでいるとの誤解につながっているのかもしれませんが、実際にはそのようなことはありません。
 そもそも私どもは、出版サービスと書籍販売とで利益を生み出し、さらに表現の場を広めるために投資し、結果として、表現者に楽しんでいただける環境を作ることを目指しています。むしろ、さらに企業努力して経費節減にも努め、利益を生む努力をしていかねばならないと考えています。

2.呼称、負担費用説明の変更について
 貴社は、これまで「共同出版」という呼称を用い、著者の方たちに出版社と著者が出版費用を分担しているかのように説明してきましたが、その後「出版実現プログラム」と呼称を変えました。契約形態・内容はほとんど変わっていないにも関わらず、名称を変更した理由を説明してください。


 著者に負担していただく費用の説明の言葉が変遷してきているのは、前述のとおり、随時、よりわかりやすい説明を考慮してきた結果です。
 また、「共同出版」という呼称は、出版が著者と出版社との共同作業であることや、書籍制作から刊行後の長きにわたるまで著者と出版社として対等の立場で歩んでいきたいという理念、また実際に、小社も費用を負担しリスクを負うことなどを総合的に表現するものとして、約2年前まで使用していました。これを現在の「出版実現プログラム」に変更した背景には、他社で同じような呼称を用いながらも、似て非なる出版形態がいくつか出てきたため、混同や誤解を防ぎ差別化を図る目的がありましたが、この呼称が意図するところもまた、小社の理念に根ざしています。小社が目指しているのは、本を出して終わりではなく、出版を実現すると同時に出版によってその後の著者の活動や人とのつながりが広がることであり、もちろん、それがすべての人に約束できるというわけではありませんが、理想を言葉にして表し実現に向かうべく、「出版実現プログラム」と名づけました。

3.契約形態の説明について
 貴社は、著者を勧誘する際、「全国の書店で販売する点が自費出版とは異なる」との説明をしているようですが、貴社の契約書は通常の自費出版のような制作請負・販売委託契約ではありません。書籍の所有権も貴社にあり、増刷時からは著者に印税が支払われる契約ですから、事業者同士の出版権設定の契約です。このように、自費出版とは契約形態が異なることを著者には説明していなかったようですが、その理由を説明してください。


 小社が提示している出版のあり方と、小社が著者と取り結んでいる出版契約のかたちとに齟齬はないと考えておりますので、契約の「形態」について著者にご説明する必要があるとの認識はございませんし、貴会が主張されるように、「出版契約」の形態であることに不都合や問題があるとは考えておりません。むしろ、大切なことは、契約の内容であり、この契約を取り結ぶことによって生じる相互の権利関係や小社が個々の著作者に対して提供する業務は何か、を明確にすることであると考えます。それらは、個別の企画書や出版申込書にて明示してお伝えしております。企画書や出版申込書は提供する役務内容を明らかにするためのもの、契約書は出版権(複製権)、著作権、頒布権などの権利関係を明らかにするためのものと捉え、総合的に判断のうえ、契約していただいております。
 ただ、より深くご理解をいただけるようなわかりやすい提案や説明については、今後も研究・開発を重ねてまいりたいと考えています。
つづく
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by nakusukai | 2007-11-04 20:22 | 質問書と回答

新風舎からの手紙

 新風舎の広報室から以下の手紙がきました。回答が遅れるとのことですが、松崎社長からの誠実な回答を期待したいと思います。

       *  *  *

                                        新風舎 広報室
                                      2007年10月15日

共同出版・自費出版の被害をなくす会 御中


 拝啓 時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。

 貴会送付の公開質問書について、確かに拝受いたしました。小社としましても、出版された著者の方々を守るためにも、また、新しい出版業態の認知と発展のためにも、小社の活動をご理解いただいたうえで貴会に公平な目でご判断いただきたく、質問に対して真摯に回答したいと考えております。

 なお、回答期限についてお願いがございます。10月末日までにご回答申し上げる所存にございますので、ご了承いただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。

 以上、用件のみ申し上げます。

 末筆ながら、貴会のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

                                          敬具


                                       新風舎 広報室
                     〒107-0062 東京都港区南青山2-22-17
                                  TEL: 03-3568-4800
                                  Fax: 03-3568-0757
                               E-mail: info@pub.co.jp
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by nakusukai | 2007-10-18 13:19 | 質問書と回答