カテゴリ:活動( 16 )

消費者庁に要望書を送付

 出版に関する知識のないアマチュアの著者に、出版社側に一方的に有利な契約をさせる悪質な出版商法が依然として続けられています。そこで、消費者庁に以下の要望書を送付しました。

           ********************

                                        2009年12月5日
消費者庁担当大臣 福島みずほ 様

                            共同出版・自費出版の被害をなくす会
                            代表  松田まゆみ

         悪質な共同出版・自費出版商法への対応に関する要望書

 当会は、共同出版あるいは自費出版などと称して行なわれている悪質な出版商法の被害をなくすことを目的に設立したNGOです。
 近年、共同出版・協力出版・流通出版・自費出版などの呼称(出版形態の呼称は出版社によって異なるが、以下、共同出版という呼称を使用)で流通を謳い、アマチュアの著者を錯誤させて出版社に一方的に有利な出版契約をさせる悪質な商法が横行しています。この商法については、インターネット上などでもさまざまな問題点が指摘されています。
 2006年には共同出版を行なっていた碧天舎が、2008年1月には新風舎が倒産し、自費出版業界に大きな波紋を投げかけました。しかし、同様の出版商法を行っている出版社は依然複数あり、問題はなんら解決されていません。当会では、2007年10月1日に共同出版大手でトラブルを多発させた新風舎と文芸社に質問書を送付しました。また文芸社には2008年3月10日にも制作費についての質問を送付しました。新風舎からは回答があったものの倒産、文芸社は2つの質問書に無回答のまま問題の多い商法を続けています。
 出版についての知識がない著者の中には、こうした出版商法の問題点を認識できない方もいますし、被害者意識があっても解決が困難なために泣き寝入りせざるを得ない方が少なくありません。また、新聞やテレビなどのマスコミは悪質出版商法の問題点をほとんど報道しないどころか、広告を掲載することで被害の拡大に加担しているのが実情です。当会では新風舎や文芸社などの原稿募集の広告を掲載してきた大手新聞社に対し質問書を送付しましたが、マスコミは悪質商法との認識を持たず、なんら問題点を把握していないことが浮き彫りになりました。
 そこで悪質出版商法の問題点をご理解いただき、実態調査や業者への指導、公正取引委員会への通告など、適切な対応をしていただきたくお願い申し上げます。なお、悪質な共同出版商法が広まった経緯などについては添付資料を参照してください。

共同出版商法の問題点

1.不当な費用請求
 共同出版では商業出版と同様に、出版社の商品(本の所有権は出版社にある)として本を制作・流通する際、出版社に出版権の設定をすることで著者に印税を支払う契約を交わすのが一般的です。純粋な商業出版と異なるのは、初版の出版費用の一部(全額の場合もある)を著者に負担してもらい、著者には出版した本の一部(出版部数の一割程度が多い)が贈呈されるという点です。本の制作サービスや販売サービスに対して報酬を支払う自費出版(制作請負・販売委託契約)とは、契約形態が基本的に異なります。
 出版社が本当に出版費用の一部を負担しているのであれば、大きな問題があるとは考えません。しかし、悪質な出版社では著者に請求する費用が不透明で、費用の分担を謳いながら実際には出版社は全く費用負担しておらず、多額の利益を水増しした費用を請求していると考えられます(著者が出版費用を全額負担するとしている場合でも、過大な費用を請求していると考えられます)。悪質な出版社の場合、本をすべて自分で購入した場合よりも著者への請求金額のほうが高くなることから、一冊も売れなくても出版社は利益が出ていると判断できます。(適正な負担費用については以下のサイトが参考になります。http://www.kobeport.net/news/kyodo.html)。すなわち、契約に反する不当な請求をしているといえます。
 出版社はたとえ一冊も本が売れなくても利益を得られるために、印税も著者が支払った費用からバックされていると考えられます。

2.著者を錯誤させる勧誘
 アマチュアの作品は玉石混交で商品としてのレベルに達していないものが多く、大半は販売が期待できません。それを知りながら作品のレベルに関わらず高く評価し、「埋もれさせるのは惜しい作品」「審査の結果高く評価された」などといって、著者に売れるかもしれないという期待を抱かせたうえで、販売前提の共同出版を勧める場合があります。
 また本の制作や販売を請け負うサービスの契約ではないにも関わらず、「出版委託金」などという不適切な表現や説明によって委託契約であるかのように錯誤させている場合があります。著者がそのように錯誤すると、多額の利益を加算した費用請求を不当と認識できません。
 なお、本の所有権は著者にあるとしながら、著者に売上金ではなく印税(著作権使用料)支払うという理解しがたい契約内容になっている場合もあります。

3.リスクを説明しない勧誘
 本を流通させるためにはある程度の部数が必要ですので、少なくても500部、多いと1000部以上を提案されます。しかし、アマチュアの本の大半はほとんど売れないというのが実態ですし、1.で説明したように、一冊も売れなくても出版社は利益を得られる費用を請求しているために、出版社は販売努力をせず、多くの場合、大半の本が売れ残ることになります。また、本の所有権や頒布の権利が出版社にあるために、出版社が自由に配布したり断裁処分することもできます。著者は出版費用の全額以上を支払っていながら、実売部数や処分した部数を知ることもできません。売れ残った本を著者に引き渡す場合もあるようですが、大量の本を引き取っても保管や処理に困る場合も少なくありません。しかし、出版社はこのような著者のリスクを説明せずに勧誘します。

4.コンテストを利用した著者集め
 コンテストや出版賞などを企画し、新聞広告やホームページなどで宣伝して原稿を集め、選に漏れた著者にも出版社に有利な有料の出版形態を勧める出版社があります。コンテストや出版賞を利用した顧客集めといえます。

5.クレジットによる契約者の獲得
 請求費用が高額なために契約を躊躇する著者にクレジットでの支払いを持ちかけ、強引に契約に持ち込む出版社があります。本が出版され、ほとんど売れないことがわかっても、何年にもわたって返済を続けなければなりません。

 以上のように、著者を錯誤させ、出版社の出版事業において初版の出版費用の一部(または全額)を著者に負担してもらうとしながら、実際には全額を超える過大な請求をすることで出版社はなんら費用を負担せずリスクも負わないという、全面的に著者に依存した詐欺的商法です。この結果、著者は売れる見込の少ない本を過剰に作らされることになります。しかも、著者は実際の出版費用、出版社の負担する費用、実売部数などのデータを知ることができないために不当な費用請求を立証できません。著者が水増し請求に抗議し返還を求めても応じず、著者は非常に不利な立場に置かれて泣き寝入りせざるをえない状況にあります。圧倒的に優位な立場を利用した不公正な取引契約であり、優越的地位の乱用ともいえます。
[PR]
by nakusukai | 2009-12-08 13:10 | 活動

抗議書および意見書の送付

NHKの「家計診断」について、NHKおよび放送倫理・番組向上機構に以下の文書を送付しました。

NHKへの文書
家計診断についての回答への抗議書

放送倫理・番組向上気候への文書
自費出版問題を扱ったNHK家計診断についての意見書
[PR]
by nakusukai | 2009-02-19 16:14 | 活動

NHKへの質問と回答

 2007年11月22日にNHKで放送された「家計診断おすすめ悠々ライフ」は自費出版でのトラブルを回避することを目的とした番組でしたが、疑問の多い内容でした。そこで当会はNHKの制作局長宛に以下の質問書を送付しました。

「家計診断」についてNHKへの質問・要望書

 それに対し、NHKからは1月23日付けで以下の回答がありました。

「家計診断」についてのNHKからの回答
[PR]
by nakusukai | 2009-01-27 11:25 | 活動

新聞社からの回答への見解

 当会では7月21日付けで、朝日新聞社・毎日新聞社・読売新聞社・産経新聞社・日本経済新聞社・北海道新聞社の6社に「共同出版を行っている出版社の広告掲載についての質問書」を送付しました。全社から回答が届きましたので、当会の見解をお知らせいたします。

 当会は5項目について質問をしましたが、項目ごとに回答した新聞社は一社もなく、一括した回答になっています。このような回答の仕方によって、共同出版の問題点に関する具体的な質問(1.2.4.)はどこの新聞社も無視しています。具体的な見解について意図的に回答を避けていることを大変残念に思います。
 とりわけ毎日新聞社は、文芸社の広告について「悪質な出版商法を行っている出版社の原稿を掲載しているという認識はありません」としています。また「自費出版をしようとしている人と出版社は個々に契約を結びます。広告を掲載する媒体者が介入する余地はありません」と、広告主の商行為によってトラブルが発生していても新聞社には責任がないかのような回答でした。
 すべての新聞社が広告は広告掲載基準に従って審査したうえで掲載しているとしています。北海道新聞社では広告掲載基準をホームページ上で公開していますが、それによると全般規定として「10.詐欺的なもの、またはいわゆる不良商法と見なされるもの」との項目があり、これに該当する広告は掲載することができないとされています。このような基準はおそらく北海道新聞に限らず、一般的なものと考えられます。しかし、一部の共同出版社・自費出版社は事実と異なる説明をして著者を錯誤させたり、不当な費用を請求するなど悪質なことを行っており、当会ではこの基準に抵触すると考えております。
 さらに、北海道新聞社では「広告の掲載権」として「広告の掲載可否の最終決定権は本社が保有し、審査の上、広告の掲載をお断りすることがあります」としています。このことから、基準に抵触する悪質商法などの広告は新聞社の判断で不掲載にでき、悪質商法であることを知りながら広告掲載を続けている場合は、新聞社の責任も問われるものと判断されます。
 大きな新聞で広告している出版社であることから安心して契約し、被害を受けた方も少なくありません。しかし、今回の回答にあたって、当会に被害例などを問合せた新聞社は一社もありませんでした。
 広告掲載をしている新聞社には、十分な情報収集をしたうえで広告掲載基準に照らし合わせ、適切な判断をするよう求めていきたいと考えています。
[PR]
by nakusukai | 2008-09-06 11:00 | 活動

新聞社からの回答を掲載しました

 当会では、7月21日付けで、共同出版を行っている出版社の広告を掲載している全国紙5紙と北海道新聞社に質問書を送付していましたが、8月下旬までにすべての新聞社から回答がありました。

 回答は以下に掲載しています。

新聞社からの回答
[PR]
by nakusukai | 2008-09-02 10:00 | 活動

新聞社へ質問書を送付しました

 倒産した碧天舎、新風舎は新聞に大きな原稿募集の広告を掲載していましたが、このような広告を信用して原稿を送付し被害に遭った方も少なくありません。大手2社が倒産してしまいまいしたが、共同出版(自費出版と称しているところもある)の問題点や疑問点が解決されたわけではありません。しかし新聞社は今でも文芸社をはじめとした共同出版社の原稿募集の広告を掲載しています。
 そこで、共同出版社の原稿募集の広告を掲載している全国紙5社と北海道新聞社に対して7月21日付けで質問書を送付しました。

共同出版を行っている出版社の広告掲載についての質問書
[PR]
by nakusukai | 2008-07-23 10:05 | 活動

破産管財人弁護士に対する当会の見解

 当会は4月1日付けで、新風舎の破産管財人である川島英明弁護士に質問書を送付しましたが、川島弁護士からは回答がいただけませんでした。
 弁護士は、新風舎の倒産の原因が悪質な商行為にあるとの認識をされているはずですので、職務の遂行にあたり共同出版商法の悪質性や問題点について調査し問題点を整理していると思われますが、当会の指摘した疑惑に対する見解は明らかにされませんでした。同様の疑惑を持たれている文芸社についての弁護士の判断もわからないままです。
 著者に対して説明会を開かず、また被害者組織への質問にも回答しない態度は、被害者を軽視していると思えます。
 文芸社に事業譲渡したこと、さらにそれによって新風舎の著者の方たちの個人情報が文芸社に渡ってしまったことは弁護士に責任がありますので、このような対応を大変残念に思います。
 共同出版御三家といわれた文芸社・新風舎・碧天舎のうち、碧天舎・新風舎の二社までが倒産して多くの被害者を出しながら、今回の破産処理においてもこの商法への疑惑や問題点が明確に示されずに問題の解決が先送りされることになったことに対して、私達は疑念を抱かざるを得ません。
[PR]
by nakusukai | 2008-05-11 11:07 | 活動

文芸社に対する見解

 当会では文芸社に対して2007年10月1日付けで質問書を送付しましたが回答がなく、 12月10日には催促状を送付しましたがこれに対しても回答がありませんでした。また、2008年3月10日には制作費についての質問書を送付して回答を求めましたが、文芸社からは回答期限が過ぎても問い合わせや回答は一切届いていません。

 作家の佐野眞一氏は、文芸社の代表取締役社長である瓜谷綱延氏に取材の申し込みをして断わられ、質問状を送付して書面による回答を得ています(「だれが『本』を殺すのか(下)」新潮文庫による)。一作家による質問状に回答しながら、被害者組織である当会に回答しないということは、都合が悪い質問に対しては回答できないものと判断されます。

 自社の商行為についての説明を拒否し疑惑の解明をしようとしない文芸社の態度は、疑惑を深めるばかりです。共同出版社の最大手としてきわめて無責任かつ不誠実といえます。

 当会としては、このような出版社に対し、今後も粘り強く疑惑解明と軌道修正を求めていく所存です。

 なお、文芸社と契約を交わした著者で、文芸社に対し不満や被害者意識をもたれている方は、当会に情報提供をしてくださいますようお願い申し上げます。また、入会も歓迎いたします。
[PR]
by nakusukai | 2008-04-29 13:52 | 活動

川島弁護士に質問書を送付

 当会は、新風舎の倒産にあたって文芸社に事業譲渡させた川島英明弁護士に対し、4月1日付けで質問書を送付しました。
 誠実な回答が寄せられることを期待しています。

川島弁護士への質問書
[PR]
by nakusukai | 2008-04-02 15:26 | 活動

川島弁護士の対応と事業譲渡についての見解

 新風舎の破産管財人である川島英明弁護士は、文芸社に事業譲渡して破産を確定させました。川島弁護士に要望書を送付した当会として、今回の破産処理および事業譲渡に関しての見解をお知らせします。

1.書籍の販売および廃棄について
 当会では断裁処分するのであれば希望する著者に無償で引き渡すことを要望していましたが、定価の2割という買い取り価格は変更されませんでした。商業出版と同様の契約書を用い、著者の負担費用は制作費だと公言していたにも関らず、制作費を上回る費用を請求していた詐欺的商法であることを考慮した判断をされたとは思えず、非常に残念です。

2.著者に対する説明について
 新風舎の倒産にあたっては、1月に印刷会社や外部委託者などの債権者への説明会は開かれましたが、著者への説明会は開催されませんでした。また、弁護士からのお知らせは新風舎のホームページを利用したものであり、インターネット環境にない著者はなんら情報が得られませんでした。多額の費用を支払っている著者に直接説明することなく処理が進められたために、著者の方たちの不安と混乱を招くことになりました。以上の理由から、弁護士は著者説明会を開くべきであったと考えます。

3.事業譲渡の判断について
 文芸社は新風舎と同様の商行為を行っている出版社であり、かねてから批判を受けている会社です。しかも、文芸社は当会の質問書に対して回答せず、文芸社への疑惑や疑問はまったく解決されていません。新風舎の破産処理にあたって共同出版商法の本質的な問題点を調べていたのであれば、きわめて問題のある商行為であることが理解できたと思われます。法の専門化である弁護士が文芸社に事業譲渡したことで、文芸社の商行為にお墨付きを与えることになったともいえます。したがって文芸社に事業を譲渡させたことに大きな疑問を感じざるを得ません。
 事業譲渡にあたっては追加費用がかかるとのことですが、すでに多くの著者が制作費の大半を支払っていると考えられます。それにも関らず支払い済みの費用が考慮されないのであれば事業譲渡することの意味があったのか疑問です。
 さらに、既刊の著者の個人情報がそのまま文芸社に渡されることになりましたが、このような処置に不満を持たれる著者も多いと思われます。
 以上の理由から、文芸社しか受け入れる出版社がなかったのであれば、事業譲渡にこだわるのではなく、データを著者に返還して著者自身に印刷会社や出版社を探してもらう選択肢もありました。
 なお、弁護士は文芸社および関連会社の文芸社ビジュアルアートが「役務(サービスの内容及び費用)を提示する」としていますが、提示される契約が流通出版の「印税タイプ」であるなら、役務を提供する契約(請負契約)ではありません。

4.今後の著者の判断について
 未刊の著者に対しては、文芸社から1ヵ月半をめどに条件が提示されることになっています。文芸社は利益をとらないとのことですので、以下のことについて確認されたうえで慎重に判断されることをお勧めいたします。
(1)著者に提示するのは「売上金還元タイプ」(請負契約)か、あるいは「印税タイプ」(出版社の商品をつくり、その売上金で販売や宣伝などの諸経費を賄う出版形態)か。前者であれば費用はすべて著者負担になりますし、その費用には出版社の利益が加算されることになります。後者であれば、制作実費のみ著者負担で販売や宣伝の費用は本の売上金によって賄う業態といえます。この場合、販売や宣伝にかかる費用以上の売上金が見込める本でなければ提案できないことになります。
(2)制作費の内訳、および販売や宣伝にかかる費用。
(3)本の予定価格。
(4)流通方法。提携書店へ陳列する場合は、その期間や陳列方法、陳列してもらえる書店数。売れ残った本の扱いとその費用(文芸社は提携書店に専用の棚を借り、売れ残った本は自社で買い取っているとされています。また、この棚はジャンル別ではなく同時期に刊行されたさまざまな本をまとめて置いているものです)。
(5)宣伝・広告についての確認と、オプション広告の有無。
(6)販売実績や増刷の実績など(新風舎の本の多くはほとんど売れていなかったといわれています)。
(7)編集のやり直しの有無やその費用(共同出版社では販売レベルまで高めるような編集をしていない場合が多いといわれていますが、販売を前提とするなら質の高い編集は必須です)。
[PR]
by nakusukai | 2008-03-17 09:26 | 活動