ここに注意!Q&A 勧誘編

Q 原稿を送ったら大変ほめられ、書店に流通して印税がもらえるタイプの契約を勧められました。きちんと読んでもらって評価されたので出版してみたいのですが。

A 本当にすばらしい作品であるなら、出版社が費用を負担して商業出版(企画出版)にするはずです。普通、編集者がむやみに作品をほめるようなことはしません。契約をさせるために、あなたの気持ちをくすぐって有頂天にさせ「売れるかもしれない」と期待させているといえます。

Q 共同出版で出版した素人の本がベストセラーになった例があるそうです。またドラマなどの原作に選ばれるチャンスもあるそうです。私もそのようなチャンスに賭けてみたいのですが。

A 出版点数の多い共同出版・自費出版社の場合、年間数百点から数千点もの本を出版しています。その点数は講談社などの大手出版社とほとんど変わりません。しかし、そのなかでどれだけの本がベストセラーになっているでしょうか? その出版社の本は大手出版社の本と同じように書店にたくさん置かれていますか? ベストセラーになる確率も、書店に置かれている点数も大手の商業出版社とは比べ物にならないくらい少ないはずです。絶対ヒットしないとはいいませんが、そのような確率は非常に低いといわざるを得ません。

Q 契約をためらっていたら、値下げを提案してきました。サービス価格とのことなのでチャンスだと思うのですが。

A 制作請負・販売委託契約をしている純粋の自費出版社の場合、ページ数や版型に応じた料金表を用意しているところが大半です(編集費などは作品のレベルや本の内容によっても異なってきますからオプション料金にしている場合もあります)。出版社が良心的な費用設定をしているなら大幅な値引きをしたら経営が成り立たなくなってしまいます。何十万円もの値引きができるということは、はじめからかなり多めの費用を請求している可能性があり、値下げした費用でも十分に利益がでていると考えられます。

Q 契約を躊躇していると「今月中であれば特別に安くできます」などと言われて契約期限を区切られたのですが。

A 本を発行するのに、なぜ出版社が契約を急がせなければならないのでしょうか? あなた自身が出版社の立場になって考えてみてください。著者とともに売れる本をつくりたいと考えたら、作品のレベルや内容を吟味したうえでその作品にあった提案をし、お互いに条件を理解して納得したうえで契約するのではないでしょうか? 契約が何ヶ月か先になったとしても出版社に大きな支障はないはずです。
 著者が他社に見積もりをとったり、会社の評判などを調べたり、相談窓口や法の専門家などに相談する時間を与えずに契約させてしまいたいということではないでしょうか。

Q お金がないといって断わったら、クレジットを勧められました。それなら何とか支払が可能だと思うのですが。

A クレジット契約をすると、クレジット会社があなたに代わって出版社に費用を支払うことになります。したがって費用についてはクレジット会社とあなたとの関係になり、クレジット会社に対して代金を払い続けることになります。
 もし出版社とトラブルになった場合、出版社が返金に応じるなどの誠実な対応をしてくれるでしょうか? 納得のいかない出版になってしまった場合でも、残金を支払い続けなければなりません。しかも手数料が含まれますので割高になります。出版社には有利であっても、著者に有利とは思えません。借金までして出版するべきか、慎重に考えるべきです。

Q 本に挟まれている読者カード(葉書)を出したら、本を出版しないかとの勧誘がありました。それまでは出版を考えたことはなかったのですが、とても熱心に勧誘するのでその気になってきました。

A 普通、本に挟まれている読者カードは、出版社が企画の参考にするためのものです。なんとなく出版に興味があるという程度の方にまで積極的に出版を持ちかけ勧誘するというのは、契約しただけで儲かるからではないでしょうか? お金をかけてまで出版する気持ちがなかったのに勧誘によってその気になってしまうというのは、心理を巧みに利用した悪質商法の勧誘と通じるものがあります。

Q 書店やインターネット書店からの注文に対応するだけではなく、提携書店に必ず並ぶといわれました。素人の本は書店に並べてもらうだけでも大変だと聞いたので、よい方法だと思うのですが。

A あなたはその書店リストをもらえるのでしょうか? あなたの居住地から遠くはなれている書店に本当に置かれているのか確認できますか? また書店に置かれたからといって、売れるというわけではありません。その本のことを多くの人に知ってもらうような機会がなければ、名前が知られていない人の本は誰も買わないのではないでしょうか? 
 大型書店に行って無名の著者の本が棚の一隅に差し込まれている光景を想像してみてください。いかにその本を買ってもらうことが難しいかが実感できると思います。
 また、提携書店に本を並べるためには費用がかかります。売れ残った本を出版社が買い取っている場合もあります。その費用は誰が負担しているのでしょうか? 出版社負担としている場合がありますが、本当に出版社が負担しているのか確認できますか?

Q 共同作品集への作品掲載を勧められました。一人で一冊の本を出版するより費用が安いし、著者が多ければ買ってくれる人も多いと思うのですが。

A 一人当たりの費用はそれほど高くなくても、全員の費用を合わせたら出版社にとっては十分すぎる費用になりませんか? 著者への見返りは納得できるものですか? あなたは素人の共同作品集を購入したいと思いますか?
 自分の作品を発表したいのであれば、同人誌や地域で発行している市民文芸誌などに投稿するという方法もあります。このような雑誌で作品を客観的に評価してもらうことも意味のあることです。

*当会では、勧誘された経験談、出版して疑問に思ったこと、失敗談などを募集しています。これから出版を考えている方が悪質商法に惑わされず納得できる出版をするために、ぜひ情報をお寄せください。当会のメールアドレス nakusukai@excite.co.jp
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by nakusukai | 2008-07-20 11:13 | ここに注意! Q&A
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