NHKへの抗議書

                                         2009年2月17日

日本放送協会 制作局長様

                             共同出版・自費出版の被害をなくす会
                             代表 松田まゆみ

             家計診断についての回答への抗議書

 当会の2008年12月18日付けの質問に対し、チーフ・プロデューサーの石原修氏より2009年1月23日付けで回答がありました。しかし、貴協会の回答は残念ながら質問に即した回答となっていません。マスメディアが回答をはぐらかすことは報道における責任を回避するものです。
 当会は、貴協会の番組づくりの姿勢および被害者組織の質問に的を射た回答をしないことに強く抗議します。なお、回答についての当会の見解は以下の通りです。

質問1の回答について
 当会は、トラブル増加の経緯とその背景にある共同出版の問題点について具体的に説明したうえで、「トラブル増加の経緯や、悪質な出版社についての情報収集を行なったかどうかについて」と、「共同出版について言及しなかった理由」を質問しました。しかし、いずれも回答していません。

質問2の回答について 当会は、共同出版などと称して一部の出版社で行なわれている悪質な商法について具体的に問題点を示し、それに対するNHKの見解を問いましたが、NHKは自らの見解を具体的に示していません。
 「『共同出版』という方法に関しては、国民生活センターや自費出版に詳しい専門家の方、トラブルにあった人の相談窓口などに取材をしました」とのことですが、マスメディアは取材した情報を元に「共同出版」がどのようなものであるかを理解し、問題があるかないかを独自に判断して番組をつくる立場にあります。その判断について質問したにも関わらず、具体的な論拠を挙げることなく「『共同出版』という出版形態自体に問題はない」と回答したことに大きな疑問を抱きます。
 共同出版や文芸社、新風舎についてはインターネット上でも数多くの批判があり、悪質商法として知られていました。また、当会は悪質な共同出版社や被害の具体例などについて情報提供しましたが、番組にそれらを生かしたというより、むしろ疑問のある出版社を紹介するかのような内容でした。
 なお、トラブルを避けるためのポイントとして「費用の目安」や「契約は必ず書面で交わす」ことなどを伝えたとのことですが、請求金額が適正かどうかは契約形態によって異なります。トラブル回避のポイントは、出版の主体者(本の所有権)が誰なのか、販売システムや販売実績などについて著者に不利益なことまで説明しているか、著者を錯誤させるような説明をしていないか、強引なクレジット契約を勧めていないか、賞やコンテストを利用した不適切な勧誘をしていないか、などということです。また書面で契約を交わしていても多数のトラブルが発生しているのは周知の事実です。「費用の目安」や「契約は必ず書面で交わす」などということは、トラブル回避の重要なポイントとはいいがたいものです。

質問3の回答について 疑惑に関する質問をしたのに、それには全く答えていません。
 なお、番組で紹介された事例は、返済能力のない人にクレジットを勧めていること、また販売の困難なジャンルでありながら全国販売を安易に勧めたなど出版社側に大きな責任があるものでした。しかし、リタイアメント情報センターの尾崎浩一氏のコメントは出版社側の問題点を的確に指摘したものではありませんでした。

質問4の回答について
 「B型自分の説明書」(文芸社)や「氷の華」(幻冬舎ルネッサンス)というヒット作があるのは事実ですが、だからこそその版元の行なっている商法の不透明さや問題点を認識した上で適切な番組をつくる責任があります。ヒット作は極めて稀な例でしかありません。その版元の問題点を指摘することなく稀なヒット作を取り上げれば、出版を考えている人に安易にヒットするかもしれないという期待を抱かせ、問題のある出版社に誘導することにつながります。
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by nakusukai | 2009-02-19 16:03 | その他の文書
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